前回はきさらぎ賞のレース回顧を記事に書きましたが、今回もクラシック戦線の重要なステップレースであるクイーンカップの回顧です。
クイーンカップといえば、昨年はハーパーがこのレースを勝ってその後のクラシック戦線でも活躍を見せました。過去には、クロノジェネシスやヴィルシーナといった古馬GⅠの勝ち馬も輩出しており、出世レースとしても知られています。
今年のレースも、将来性の高い良血馬が強い勝ち方を見せてくれました。
その名も、クイーンズウォークです。
レース展開
ほぼそろったスタートでしたが、逃げると思われていた8番ルージュスエルテは行き脚がつかずに最後方となりました。
結局、6番モリノレッドスターが逃げる形になり、3番アルセナールは好位の内側、13番クイーンズウォークは後方の外目で追走します。
向正面で6番モリノレッドスターを先頭にやや縦長の展開に。
8番ルージュスエルテは、腹をくくったのか最後方から競馬を進めました。
13番クイーンズウォークは後方2~3番手です。
3コーナーでもほぼ隊列は変わらず、6番モリノレッドスターを先頭に各馬は4コーナーに向かいます。
前半の800mは47秒1。ほぼ平均ペースです。
4コーナーでもほぼ隊列は変わりませんでしたが、ここで人気の一角、4番サフィラが手ごたえ悪くポジションを下げていきました。
4コーナーをカーブして直線に向くと、馬群は横に広がり、13番クイーンズウォークと8番ルージュスエルテは外から追い込む態勢に。
3番アルセナールは内側で少し窮屈そう。4番サフィラは脚色が悪く、すでに一杯になっている様子でした。
3番アルセナールは1番サクセスカラーと12番テリオスサラに挟まれてしまい、勝負所で前に抜け出せません。
一方、13番クイーンズウォークは絶好の手ごたえでガラガラに空いた外目を真っ直ぐに伸びてきました。
8番ルージュスエルテもさらに外からクイーンズウォークを追いかけますが、切れ味はやや劣る印象。
3番アルセナールが馬群をようやく抜け出したところで、クイーンズウォークはすでにセーフティリード。クビ差しのいでクイーンズウォークが1着でゴール。
3番アルセナールはわずかに届かず2着。頑張って追い込んだルージュスエルテが3着に入りました。
人気の4番サフィラは、まさかの9着惨敗となりました。
レース映像はこちらをご覧ください。
クイーンズウォークはリバティ姉さんよりもソング姉さんに近い
「クイーンカップをクイーンズウォークが勝った」なんてあまりに陳腐な展開でしたが、これが現実となりました。
勝ったクイーンズウォークの鞍上は川田将雅騎手。そして、厩舎は栗東の中内田厩舎。そう、昨年牝馬3冠を達成したリバティアイランドと全く同じコンビです。
クイーンズウォークは、今後リバティアイランドのような3冠牝馬を目指すことになるのでしょうか?
私は、そこ(牝馬3冠)については否定的な意見です。
私がクイーンズウォークの牝馬3冠に否定的な一番の理由は、ズバリ「血統がマイル向きである」という点です。
クイーンズウォークの母ウェイヴェルアベニューは、ブリーダーズカップフィリー&メアスプリントというダート1,400mのGⅠを勝った名牝です。さらに、半兄には20’朝日杯FSを勝ったグレナディアガーズ(父Frankel)がいます。この牝系は、どうも短距離~マイル向きの馬が生まれるような気がしています。
クイーンズウォークがマイル向きということを裏付けるものとして、1つクイーンカップで気づいた点があります。
それは、同じキズナ産駒のソングラインに走りが似ている点です。
この点については賛否両論あると思いますが、まずはソングラインが勝った2023年安田記念のレース(以下に動画あり)を見てみてください。私の意見にうなずいていただける方はいらっしゃると思います。
クイーンズウォークには、リバティ姉さん(リバティアイランド)よりもソング姉さん(ソングライン)を目指してほしいと思います。