新潟競馬場で行われる伝統のマイル重賞「関屋記念」。

netkeiba.comの想定人気では、怒涛の三連勝で臨んだ前走京王杯SCで9着に敗れているダノンセンチュリーが1番人気に(2026年7月24二日14:30現在)。
実績最上位のエルトンバローズは、59kgというトップハンデを背負うことが嫌われてか、想定3番人気に甘んじている。
先週の函館2歳ステークスの反省から(以下の記事を参照)、今回は単一の系統だけに注目するのではなく、過去の優勝馬に共通する複数の系統の血統に注目して、あくまで血統だけを根拠にして関屋記念の優勝馬を予想してみる。
過去5年の優勝馬の血統
| 開催年 | 馬名 | 父 | ネイティヴダンサー系血量 | ヘイルトゥリーズン系血量 | セントサイモン系血量 |
| 2025年 | カナテープ | ロードカナロア | 6.25% | 3.13% | 7.81% |
| 2024年 | トゥードジボン | イスラボニータ | 6.25% | 3.13% | 3.13% |
| 2023年 | アヴェラーレ | ドゥラメンテ | 12.5% | 6.25% | 4.69% |
| 2022年 | ウインカーネリアン | スクリーンヒーロー | 7.81% | 6.25% | 6.25% |
| 2021年 | ロータスランド | Point of Entry | 9.38% | 3.13% | 6.25% |
上表に過去5年の関屋記念の優勝馬とその血統を一覧にした。
まず、優勝馬の父を見ると、キングカメハメハ系(ロードカナロア、ドゥラメンテ)とヘイルトゥリーズン系(イスラボニータ、スクリーンヒーロー、Point of Entry)に大別される。
そして、5頭の優勝馬の5代父母(計32頭)をサイアーライン※別に見ると、いずれの優勝馬もネイティヴダンサー系とヘイルトゥリーズン系を持ち合わせているが、これは父のサイアーラインがそのまま反映された形になっている(キングカメハメハ系のサイアーラインをたどるとネイティヴダンサーに行きつく)。
※サイアーライン:父の父の父の父の父の・・・と父系をさかのぼったときに出現する一連の種牡馬たちのこと
今のところの私の研究では、ネイティヴダンサー系は芝でのスピード能力を増強する効果があるという仮説を立てている。一方、ヘイルトゥリーズン系についてはまだ特定の効果を見いだせてないが、おそらくこれも芝でのスピード能力に関連していると考えている。
これに加えて、関屋記念の優勝馬は5代父母にセントサイモン系を持っていることがわかる。
セントサイモン系については、函館2歳ステークスの記事で触れた欧州スタミナ型マイナー血統と同様に、スタミナ能力の維持に関わっていると考えられる。あくまで”維持”であって、スタミナを増強するというよりは、スピード系の血統が増えた時の”歯止め(スピード能力の抑制)”の役割を果たすという仮説だ。
ネイティヴダンサー系とヘイルトゥリーズン系の血統が芝のマイルレースで有利になる理屈はわかるが、なぜセントサイモン系の血統が関屋記念の優勝馬に多いのか?
これは完全なる妄想だが、セントサイモン系は爆発力の源なのではないか?
19世紀の終わりに突然現れ、あっという間にイギリスの血統を塗り替えてしまったセントサイモンは、スピードやスタミナといった単一の能力ではなく、レースセンスや闘争本能などを含めた競走馬としての総合能力を高める効果を子孫たちにもたらしているかもしれない。
セントサイモンは母系に入っても強い影響力を示していたように、それだけ競走馬として重要な遺伝子を多数持っていたのだろう。
このことが関屋記念とどうつながるのか?それはわからないが、私の妄想が当たっているとすれば、関屋記念は名馬が勝つべくして勝つレースであると言える。
推奨馬① 8番ダノンセンチュリー
- ダノンセンチュリー(牡4)
- 父 フィエールマン
母 シャンブルドット(母父 Lope de Vega)
厩舎 宮田敬介(美浦)
騎手 戸崎圭太
戦績 7戦4勝
前走 5/2 GⅡ京王杯スプリングカップ(東京芝1400) 9着
想定1番人気のダノンセンチュリーは、血統面でも申し分なさそうだ。
父はヘイルトゥリーズン系のフィエールマンで、フィエールマンにも母のシャンブルドットにもネイティヴダンサー系の血が豊富に含まれている。さらに、セントサイモンの血も持っていて、まさに関屋記念にふさわしい血統構成になっている。
父フィエールマンはステイヤーだったが、ノーザンダンサー系やナスルーラ系などのスピード血統を多く持つ母との組み合わせで、ダノンセンチュリー自体のスピード能力も高まっていると考えられる。
京王杯SCはスローペースに泣いたが、32秒台の末脚を確実に繰り出せる爆発力は関屋記念に向いているだろう。
推奨馬② 2番ジュタ
- ジュタ(牡4)
- 父 ドゥラメンテ
母 シャンパンエニワン(母父 Street Sense)
厩舎 矢作芳人(栗東)
騎手 吉田豊
戦績 9戦3勝
前走 6/28 GⅢ函館記念(函館芝2000)14着
ダノンセンチュリーが本命だとすれば、穴馬候補として推奨したいのが(あくまで血統面で)ドゥラメンテ産駒のジュタである。
こちらも、ネイティヴダンサー系の種牡馬で、2023年には同じくドゥラメンテ産駒のアヴェラーレが関屋記念を制している。
元々はクラシックも期待されていた馬ではあるが、中距離レースで勝ったり負けたりとなかなか成績が安定していない。
もしかすると、この馬はマイルに適性があるかもしれない。これまでは2000mのレースが中心で、今回が初めてのマイル戦になるが、実は距離が長かったために成績が安定しなかったという可能性も考えられる。
実際、ジュタの血統を見るとノーザンダンサー系やナスルーラ系などスピード優位の血統が多く、血統的にもマイルへの適性は十分に考えられる。
そして、ダノンセンチュリーと同じように、ヘイルトゥリーズン系やセントサイモン系の血も持っている。
2000mをこなせたのはセントサイモン系の爆発力があったからこそ、ではないか?ここで、一気に名マイラーへの道が開けるのではないかと、個人的に期待している。