今シーズン(2024年~2025年シーズン)もPOGファンの方々が楽しんでいただけるよう、新馬戦・未勝利戦のレビュー記事を書いていきたいと思います。
ぜひこの記事をご覧いただき、これからの指名馬選びの参考にしたり、指名した馬たちの今後の活躍を見守ったりしていただければ幸いです。
今回は、7月第4週の新馬戦・未勝利戦をレビューしますが、レースぶりが目を引いた注目馬が2頭いましたので、紹介します。
競馬が好きすぎて獣医師免許まで取ってしまったKBと申します!競馬ファン歴28年。ナリタトップロードの大ファンです。レースの興奮と競馬の物語をお伝えします!(馬券は苦手です)
2024年7月第4週 2歳新馬・未勝利戦 全レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。
これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
では、注目の馬を紹介しましょう。
注目馬1 エンブロイダリー(2歳牝馬)
注目馬の1頭目は、名前を呼ぶときにどこで切っていいか分からない、その名もエンブロイダリーです。
- エンブロイダリーのプロフィール
- 父 アドマイヤマーズ
母 ロッテンマイヤー(母父 クロフネ)
馬主 シルクレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 森一誠(美浦)
初勝利 R6.7.27 新潟 芝1,800m 2歳未勝利 勝ちタイム1:45.5
評価 レース★★★★★ 血統★★★
「エンブロイダリー」という名前は英語の「刺繍」で、母名(小説の登場人物)からの連想だそうです。それはともかくとして、新馬戦で2着に敗れていたエンブロイダリーは、今回の未勝利戦で単勝オッズ1.1倍という圧倒的な1番人気に推されました。そして、終わってみれば、その人気どおりに圧倒的な強さで初勝利を挙げることになります。
レースではスタートしてスッと先頭に立つと、最初の1,000mを59秒1で通過。数字的にはハイペースに見えますが、高速馬場化している当時の新潟競馬場ではスローペース。そして直線に向くと、エンブロイダリーは後続をどんどん突き放し、鞍上のルメール騎手が後ろを振り返るほどの余裕で、ゴール前は流して7馬身差の圧勝でした。上がり3F34秒3という末脚で、2歳コースレコードを更新。なんとも派手な未勝利戦となりました。
新種牡馬の父アドマイヤマーズは現役時代に名マイラーとして名をはせましたが、エンブロイダリーは1,600mの新馬戦で2着に敗れたのち、あえて2戦目に1,800mのレースを選択してきました。ここに関係者の期待の大きさを感じますが、エンブロイダリー自身は1,600m~2,000mくらいが適性ではないかと思います。当面の目標は阪神ジュベナイルフィリーズ、そして桜花賞というところでしょう。アドマイヤマーズの成長力がどのくらいあるのか、要注目の馬ですね。
注目馬2 ファイアンクランツ(2歳牡馬)
注目馬の2頭目は、先週に引き続いて現れたドゥラメンテ産駒の素質馬ファイアンクランツです。
- ファイアンクランツのプロフィール
- 父 ドゥラメンテ
母 カラフルブラッサム(母父 ハーツクライ)
馬主 サンデーレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 堀宣行(美浦)
初勝利 R6.7.28 札幌 芝1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:50.5 重
評価 レース★★★★ 血統★★★★
ファイアンクランツのデビュー戦も芝1,800m。しかし、レースが行われた札幌競馬場は朝の豪雨により馬場状態が重馬場まで悪化。440kgという小柄なファイアンクランツにこの条件は厳しいように思いましたが、終わってみれば全くの完勝。あんな小さな体のどこにそんなパワーが隠されているのか?一瞬不思議な感覚に陥りましたが、レースをよく見ると、なんとなくそのパワーの正体がわかったような感じがします。
レースでファイアンクランツは好位につけ、まったく馬場に苦労することなく馬なりのまま4コーナーで早くも先頭に。後方からは有馬記念馬ブラストワンピースの半妹ロパシック(父エピファネイア)も追ってきていましたが、ファイアンクランツは楽に加速してこれを寄せ付けず、1馬身リードでゴール。2着ロパシックと3着馬は4馬身も離れていますので、前2頭がいかに強かったかがわかります。
ファイアンクランツの凄いところは、加速したことが分からないくらい馬の姿勢とフットワークが安定していることです。つまり、無駄な動きがなく、全身をバネのようにして、まさに飛ぶようなフットワーク。私は思わずディープインパクトの走りを思い出してしまいました。ファイアンクランツは小柄ながら、生まれ持った高い身体能力と心肺機能を持ち合わせている馬ではないでしょうか。この走りなら3,000mまで十分にこなせてしまう気がしますし、クラシックで十分に活躍できるポテンシャルがあると思います。
ファイアンクランツの半兄コスタノヴァ(父ロードカナロア)は現役で、オープンクラスのダートレースを勝つなど活躍していますが、ファイアンクランツは兄のようなパワー型ではなく、洋芝もこなせる器用な中長距離馬という印象です。
まとめ
今回はレースぶりも血統面も期待の大きい2頭を注目馬として紹介しました。ここのところ牡馬の活躍が目立っていましたが、ようやく牝馬にも注目の馬が現れました。
その他にも、ヴィクトリアマイル2着のドナウブルーの子ディアナザールや今年の桜花賞に出走したテウメッサの半妹プロクレイアなども血統面から期待できそうな馬です。
これからもPOGファンの方に喜んでいただけるよう、このレビュー記事を書き続けていきたいと思います!そして、私自身も今シーズンのPOGを楽しむために、急いで指名馬を探しますよ。
以下のYouTube動画もぜひ参考にご覧になってください。
参考文献
週刊Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2024~2025(サンケイスポーツ)