![【速攻レース回顧】2023新潟記念&ちょっとだけ札幌2歳S・小倉2歳S【3歳馬強し】](https://toproadoor.net/wp-content/uploads/2023/09/新潟記念レース回顧.001.jpeg)
先週は、長かった夏競馬を締めくくるGⅢ新潟記念が開催されました。
結果は、レース展望でも1番手に挙げていた未冠の3歳馬が重賞初勝利を手にしました。
今回は、その新潟記念を速攻で振り返ります。さらに、同じ週に開催された2歳重賞2レース、GⅢ札幌2歳ステークスとGⅢ小倉2歳ステークスをちょっとだけ振り返ります。
以下のレース展望の記事も合わせて読んでいただくと、さらに分かりやすいかと思います。
<2023新潟記念のレース展望>
2023新潟記念 速攻レース回顧
こちらが新潟記念の全着順です。
![](https://toproadoor.net/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-04-5.30のイメージ-1024x387.jpg)
勝ったのは、才能を高く評価されながらなかなか結果を残せていなかった2番人気のノッキングポイントでした。勝ちタイムは1分59秒0。
1番人気のサリエラは7着惨敗。2着に7番人気のユーキャンスマイル、3着に10番人気のインプレスが入る波乱のレースとなりました。
父 モーリス
母 チェッキーノ(母父 キングカメハメハ)
馬主 サンデーレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 木村哲也(美浦)
通算成績 7戦3勝(23’GⅢ新潟記念、23’GⅢ毎日杯2着)
レース展開
逃げると思ったバラジが出負けしてしまい、中団からレースを進めることになったのは1つの波乱要素でした。そして、3着に入ったインプレスは出遅れてしまいます。
逃げたのはなんとフラーズダルム。他の馬たちは長い直線を使って各々好きな位置どりでレースを進めました。勝ったノッキングポイントは、内枠スタートからそのまま内でジッと脚をためる形。サリエラはその後ろにつけ、3番人気プラダリアはやはり中団外目を走る形になりました。
前半1,000mは60秒6。結果的に、平均〜やや遅めのペースとなりました。
3、4コーナー中間でペースが上がると、サリエラは反応が悪く後方に置かれてしまいます。一方、ノッキングポイントは相変わらず内で脚をためながら徐々にポジションを上げ、プラダリアは外目をいい感じで回っていきました。
直線に向くと思ったよりは馬群がバラけず、内をつく馬と外を回る馬とそれぞれ分かれた形でした。
ノッキングポイントは前が開くと内から早めに先頭に抜け出します。サリエラは全く末脚が伸びず、プラダリアも外から追い込みますが思ったよりも伸びません。
代わりに内からインプレスが、そして外からはユーキャンスマイルが猛然と追い込んできました。
ノッキングポイントは最後まで長く良い脚を使って(上がり3ハロン33秒8)1馬身差でゴール。2着には上がり2位(33秒6)のユーキャンスマイル、3着には上がり1位(33秒4)のインプレスが入り、上がり上位3頭がそのまま上位3着までを占める結果となりました。
プラダリアはなんとか4着。5着には外から追い込んできたバラジが入りました。馬場の内と外でどのくらい末脚の差が出るか注目していましたが、結果的にはどちらも大差ありませんでした。
よかったらYouTubeのレース映像もぜひご覧ください。
主な出走馬の短評
- ノッキングポイント(1着)・・・馬体が成長していた。気合い乗りもバッチリ。次のレースは、菊花賞だと距離が長いため、天皇賞(秋)が目標か。勝った北村宏司騎手のレース後コメントは以下のとおり。
元気に夏もトレーニングしてくれて、コンディションの良さ、気持ちの前向きさをレースで出してくれてうれしかったです。新潟・芝2000メートルは自信を持って臨める条件だと思っていました。この馬のいいところは正直に、前向きに、いつも一生懸命、自分の走りをしてくれるところだと思います。
北村宏司騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)
- ユーキャンスマイル(2着)・・・結果的に昨年に続いての2着。58kgでよく追い込んだ。舞台が特別に得意なのか。
- インプレス(3着)・・・出遅れたがまさかの3着。後方待機で内をスルスル抜けてきた。パドックも気合い乗りが良さそうに見えなかったが、4歳の夏を越して精神面も肉体面も成長してきたか。斤量有利もあるが、これから注目かも。
- プラダリア(4着)・・・今回も勝ちきれなかった。負け癖がつくのはこれからに向けてマイナス。パドックでも気合いが入りすぎている感じ。ピークが過ぎたか。
- サリエラ(7着)・・・心配していたとおり古馬一戦級とのレースでは少し難しかった。決して調子が悪そうには見えなかったが、最後は切れなかった。牝馬同士ならまだわからない。
- マイネルウィルトス(10着)・・・調子は良さそうだったが、体重が減り過ぎたか。思ったより切れなかった。立て直して次は好走を期待したい。
- ブラヴァス(12着)・・・引っかかって前に行ってしまった。末脚にかける競馬できなかったのは残念。気合い乗りも良くなかった。
今後の見どころ
未完の大器ノッキングポイントがようやく重賞初制覇を達成。札幌記念のトップナイフに続き、またも3歳馬が躍動しました。昨年のイクイノックスと同じ活躍を望むのは酷ですが、ノッキングポイントも古馬と十分に戦えることを証明したと思います。
期待していたプラダリアは伸び悩んでいる印象です。ここで成長が見られれば秋も期待できたのですが、ちょっと難しいかもしれません。
サリエラはエリザベス女王杯に向けてぜひ立て直してもらいたいですね。
2023札幌2歳ステークス ちょっとだけ回顧
先週の2歳重賞の1つ目、GⅢ札幌2歳ステークスは3番人気セットアップが見事に逃げ切り勝ちを収めました。
父 デクラレーションオブウォー
母 スリーアロー(母父 アルデバランⅡ)
馬主 嶋田賢
生産者 フジワラファーム
調教師 鹿戸雄一(美浦)
通算成績 3戦2勝(23’GⅢ札幌2歳S)
馬場状態はかなりボコボコでしたね。各馬かなり疲れたと思いますが、そんな中でも気持ちよく逃げたセットアップは最後まで脚が衰えませんでした。パドックでも1頭だけ古馬かと思うような雰囲気を醸し出していました。
鞍上の横山武史騎手のレース後コメントはこちらです。
テンションが上がりやすいですが、人間に対して素直で、乗っていても操縦しやすいです。馬場が結構悪かったので外と内とで迷いましたが、ダートもこなせそうな走りをしているので、この馬を信じて内に行こうと思いました。想像以上に強かったですね。これほど離せるとは思わなかったです。距離的には2000mよりはマイルの方が合っていそうな感触があります
横山武史騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)
2着には4番人気パワーホールが入りました。2番手追走からよく粘りましたが、勝った馬が強かったと思います。3着を3馬身半ほど離していますのでこの馬も強いと思います。
注目の1番人気ガイアメンテはまさかの6着でした。パドックでは相応見栄えが良く見えましたが、武騎手によるとかなり入れ込んでいたようです。レースでは出遅れましたし、ボコボコの馬場をまくり気味に行ってスタミナを消費したのでしょう。この馬は短い距離が良いかもしれません。
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2023小倉2歳ステークス ちょっとだけ回顧
先週の2歳重賞の2つ目、GⅢ小倉2歳ステークスは5番人気アスクワンタイムが見事な差し切り勝ちを収めました。
父 ロードカナロア
母 ディープインアスク(母父 ディープインパクト)
馬主 廣崎利洋
生産者 ASKSTUD
調教師 梅田智之(栗東)
通算成績 3戦2勝(23’GⅢ小倉2歳S)
アスクワンタイムは、スタートこそ悪くありませんでしたが、道中は行き脚がつかず後方からのレースになりました。直線は最後方から外に持ち出し、最速の末脚で一気に全頭をごぼう抜きしました。
アスクワンタイムの全兄ファンタジストもこのレースを勝っており、兄弟での小倉2歳S制覇となりました。また、全兄ボンボヤージはGⅢ北九州記念を勝っており、この馬もスプリント戦線での活躍が期待されます。
鞍上の岩田望来騎手のレース後コメントはこちらです。
今日は差しが決まっていたのでゆっくり、リズムを大切にしました。直線に向いて追い出したタイミングで、すごくいい反応をしてくれたので『あ、これ届くんじゃないかな』と思いました。すごく乗りやすい馬ですし、自在性もあります。距離が延びても大丈夫なんじゃないかなと思います。
岩田望来騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)
2着に入った2番人気ミルテンベルクも外から素晴らしい末脚を見せましたが、最後はアスクワンタイムの粘りに負けました。6月の新馬戦から馬体がかなり成長しており、モーリス産駒ということで今後が楽しみな1頭です。
1番人気のビッグドリームは思ったよりも伸びず4着に終わりました。
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