今シーズン(2024年~2025年シーズン)もPOGファンの方々が楽しんでいただけるよう、新馬戦・未勝利戦のレビュー記事を書いていきたいと思います。
ぜひこの記事をご覧いただき、これからの指名馬選びの参考にしたり、指名した馬たちの今後の活躍を見守ったりしていただければ幸いです。
今回は、6月第5週の新馬戦・未勝利戦をレビューしますが、レースぶりが目を引いた注目馬が3頭いましたので、紹介します。
競馬が好きすぎて獣医師免許まで取ってしまったKBと申します!競馬ファン歴28年。ナリタトップロードの大ファンです。レースの興奮と競馬の物語をお伝えします!(馬券は苦手です)
2024年6月第5週 2歳新馬・未勝利戦 全レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。
これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
では、注目の馬を紹介しましょう。
注目馬1 エンドレスサマー(2歳牡馬)
注目馬の1頭目は、スピードあふれる逃げ切り勝ちを見せたエンドレスサマーです。
- エンドレスサマーのプロフィール
- 父 アルアイン
母 コケレール(母父 Zamindar)
馬主 フィールドレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 上原佑紀(美浦)
初勝利 R6.6.29 函館 芝1,200m 2歳新馬 勝ちタイム1:09.4
評価 レース★★★★ 血統★★★★
490kgの雄大な馬格。上原厩舎でもその2歳らしからぬ立派な馬格と牧場での評判の高さに期待を寄せていたとのこと。デビュー戦となった今回の新馬戦でも、その期待を裏切らない見事なレースぶりを見せました。
レースでは絶好のスタートを決め、気持ちよさそうに逃げました。そして、直線で一気に後続を突き放して最後は5馬身差でゴール。最後は流すような感じになるほどの楽勝でした。タイムもなかなか優秀です。
父アルアインは昨年デビューの馬がファーストクロップ。ですので、エンドレスサマーは2年目の産駒ということですが、皐月賞2着のコスモキュランダのような中距離馬というよりも、仕上がり早の短距離馬のような気がしています。ただ、母コケレールが2,000mの欧州GⅠを勝っていることや、兄弟に中距離で活躍している馬もいることから、もしかすると中距離馬に育つ可能性もありますので今後の成長を見守りたいと思います。
注目馬2 エイヨーアメジスト(2歳牝馬)
注目馬の2頭目は、今週の新馬戦で一番インパクトのある勝ち方をしたエイヨーアメジストです。
- エイヨーアメジストのプロフィール
- 父 アレスバローズ
母 カシノアンバー(母父 タートルボウル)
馬主 柳田英子
生産者 柏木務
調教師 牧田和弥(栗東)
初勝利 R6.6.29 小倉 芝1,200m 2歳新馬 勝ちタイム1:09.8
評価 レース★★★★ 血統★★
聞きなれない種牡馬の名前。アレスバローズは昨年ファーストクロップがデビューした種牡馬で、現役時代はCBC賞や北九州記念を勝ったスプリンターです。ディープインパクトの子ですが、GⅠは勝つことができずに、現在は熊本県で繫養されているようです。
そうです。エイヨーアメジストは九州産馬。そしてデビュー戦も九州産馬限定のレースということでした。
確かに相手関係でいえば、他の新馬戦と比べてそこまでレベルは高くありませんが、それにしても、エイヨーアメジストは終始先頭を走って、最後は手綱を持ったまま9馬身も後続を突き放してしまいました。勝ちタイムも平均以上の好タイムです。
エイヨーアメジストは、おそらく父と同じくスプリンターでしょう。ズバリ、目標は小倉2歳ステークス(芝1,200m)。相手にもよりますが、今回のレースであれば十分勝ち負けまでしそうです。
注目馬3 デルアヴァ―(2歳牡馬)
注目馬の3頭目は、ノースヒルズゆかりの牝系で外国産馬のデルアヴァ―です。
- デルアヴァ―のプロフィール
- 父 Frankel
母 アムールブリエ(母父 Smart Strike)
馬主 前田幸治
生産者 North Hills Co. Ltd
調教師 松永幹夫(栗東)
初勝利 R6.6.30 福島 芝1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:49.9
評価 レース★★★★ 血統★★★★
デルアヴァ―も、その母アムールブリエもノースヒルズのアメリカ牧場で生産された馬。そしてアムールブリエの母(デルアヴァ―の祖母)は天皇賞馬のヘヴンリーロマンス。まさに、ノースヒルズが培ってきた筋金入りの血統です。
そして、父は欧州最強マイラーのFrankel。母アムールブリエがダート重賞をたくさん勝っているように、その子供たちも基本的にはパワー型のダート馬が多く生まれているのですが、レースでの走りを見る限りは、どうやらデルアヴァ―は素軽さを持った芝適性のある馬だと見えます。そこは、父Frankelと祖母ヘヴンリーロマンスから受け継いだ能力なのかもしれません。
Frankelの子といえば、いわゆる欧州馬らしい、悪い言い方をすれば「ドタドタ走る」馬が多い印象なのですが、デルアヴァーはそんな様子はなく、サンデーサイレンス系の馬かと見間違えるほど俊敏に動きます。レースの勝ちタイム自体はそこまで速くありませんが、外から差し切った瞬発力と力強い走りは、もしかするとクラシックにつながる脚だったかもしれません。
まとめ
今回はレースぶりも血統面も期待の大きい3頭を注目馬として紹介しました。
先々週から未勝利戦も始まり、いよいよ2歳戦が本格化してきましたが、今回取り上げた馬の中には函館2歳ステークスや小倉2歳ステークスあたりで活躍しそうな馬もいました。
これからもPOGファンの方に喜んでいただけるよう、このレビュー記事を書き続けていきたいと思います!そして、私自身も今シーズンのPOGを楽しむために、急いで指名馬を探しますよ。
以下のYouTube動画もぜひ参考にご覧になってください。
参考文献
週刊Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2024~2025(サンケイスポーツ)