【素質開花】函館スプリントステークス2024 優勝馬サトノレーヴ&ちょっとだけエプソムC【レース回顧】

【素質開花】函館スプリントステークス2024 優勝馬サトノレーヴ&ちょっとだけエプソムC【レース回顧】

北海道には梅雨がありません。ですが、先週日曜日の函館は梅雨かと思うような雨が降っていました。芝の馬場状態は、発表上は良馬場でしたが、どうやら今回の函館スプリントステークスでも雨の影響が少なからずあったようです

今回は、その函館スプリントステークスを振り返ります。

最後にちょっとだけ同日開催のエプソムカップも振り返りますよ。

以下のレース展望の記事も合わせて読んでいただくと、さらにわかりやすいかと思います。

<函館スプリントステークス2024のレース展望>

函館スプリントステークス2024 レース結果

こちらが函館スプリントステークス2024の全着順です。

函館スプリントステークス2024 全着順

勝ったのは2番人気サトノレーヴでした。勝ちタイムは1分8秒4。良馬場にしては、少し遅いタイムです。

2着に5番人気のウイングレイテスト、3着に3番人気のビッグシーザーが入り、1番人気のアサカラキングはなんと9着に惨敗。1番人気が苦戦するという過去のデータどおりの結果となりました。

函館スプリントステークスはサマースプリントシリーズ第1戦という位置づけ。優勝したサトノレーヴには10Pが、2~5着の馬には5P~2Pが、6着以下の馬には1Pが付与されました。

優勝馬サトノレーヴのプロフィール
 ロードカナロア
 チリエージェ(母父 サクラバクシンオー)
馬主 里見治
生産者 白井牧場
調教師 堀宣行(美浦)
通算成績 8戦6勝(24’GⅢ函館スプリントステークス)

函館スプリントステークス2024 レース展開

逃げると思われた3番アサカラキングが出負け

先行争いは、スピードよく飛び出した2番カイザーメランジェ、8番カルネアサーダ、そしてグイグイ押して10番ウイングレイテストの3頭でしたが、カイザーメランジェがグッと脚を伸ばしてハナを奪いました。

4番サトノレーヴは先団の馬群の中、盛り返したアサカラキングもちょうどその前の2番手に進出。

13番ビッグシーザーは中団よりやや前の外目、5番オタルエバーがその内、1番サウザンサニーと16番ゾンニッヒは後方待機で、離れた最後方に14番セッションという隊列で、第3~第4コーナーへ向かいます。

前半600mは33秒4。数字的にはそこまで速くはありませんが、時計全体を見るとハイペースになっていたようです

カイザーメランジェを先頭に4コーナーをカーブすると、外からウイングレイテストがいい手ごたえでこれに並びかけようとします。一方、アサカラキングはあまり脚色が良くありません。

直線に向くと、カイザーメランジェを交わしてアサカラキングとウイングレイテストの2頭が一瞬先頭に立ちましたが、その内からサトノレーヴが一気に脚を伸ばしてきます

残り100mを切ってサトノレーヴが抜け出すと、アサカラキングは脱落し、ウイングレイテストと外から追い込んだビッグシーザーがこれを追いかけますが、そのまま突き放してサトノレーヴが1着でゴールイン

2着には粘り込んだウイングレイテストが入り、3着にビッグシーザー。4着には内から鋭く追い込んだサウザンサニーが、5着には中団からジワジワ伸びたオタルエバーが入りました。

先行争いを繰り広げたアサカラキングが9着、カイザーメランジェが15着、カルネアサーダが16着と惨敗。ハイペースと雨を含んだ函館のコースで先行勢には苦しいレースとなったようです

YouTubeのレース映像もぜひご覧ください。

YouTube 2024年 函館スプリントステークス(GⅢ) | 第31回 | JRA公式

函館スプリントステークス2024 主な出走馬の短評

  • サトノレーヴ(1着)・・・パドックで顔がボーっとして見えたので集中力が低いかと思ったら、これがこの馬の好調の顔だった。とても落ち着きがあった。馬群を割る根性を見せた強い勝ち方。秋が楽しみ。勝った浜中俊騎手のレース後コメントは以下のとおり。

強い馬だと思っていたので、しっかり勝つことが出来て嬉しく思っています。枠順が良い並びだったので今日のようなレースを想定していました。スタートだけ一番に集中していました。

馬場状態が非常に良いので直前の雨もそんなに影響はなかったと思います。少しでもスペースが出来れば反応できる手応えがありましたので力強い走りでした。競馬センスが非常に良い馬で騎乗する時も安心できるタイプです。競馬センスが一番の武器かなと思います

重賞馬になったので、秋の大きなところに挑戦していけると思うので、応援してあげてください

浜中俊騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)
函館SS2024 パドックでのサトノレーヴの顔(出典:JRAレーシングビュアー)
  • ウイングレイテスト(2着)・・・惜しかったが、59kg、サウジ帰り、初距離でこの結果は素晴らしい。スプリントでも強いことを証明。スプリンターズSのダークホースに。
  • ビッグシーザー(3着)・・・やはり地力が高かった。ただ、なかなか重賞で勝ちきれないのがこの馬。もっと成長できないとGⅠでは厳しい。
  • サウザンサニー(4着)・・・後方待機からインを突いて追い込み、あわやの見せ場を作った。外に出さなったのもよかった。若いだけにこれから楽しみ。
  • オタルエバー(5着)・・・中団から粘り強く伸びた。函館も合っていた。ここで叩いたあとの次走は注目。
  • アサカラキング(9着)・・・雨は不得意ではないはずだが、出負けが痛かった。スタート後に相当消耗してしまった。それでもハイペースで0.5秒差まで粘れたのは実力の証拠。1,400mが主戦場か
  • ジャスティンスカイ(10着)・・・後方待機から外を回っては届かない。雨も函館も合わなかった。重賞ではまだ実力が足りなかった。
  • ジュビリーヘッド(14着)・・・まったく伸びず。雨もこの馬にはよくなかったが、衰えたかも。

今後の見どころ

サマースプリントシリーズが始まり、第1戦は上り馬のサトノレーヴが制しました。第2戦は6月30日のGⅢ北九州記念(小倉、芝1,200m)です。

サトノレーヴは秋の目標をスプリンターズステークスに定めたはずです。おそらく、もう1戦走ってから本番に臨むでしょうから、次走はシリーズ第4戦のCBC賞(8/18中京)あるいは第5戦のキーンランドC(8/25札幌)あたりでしょうか。キーンランドカップには無冠の女王ナムラクレアも出走予定ですので、そこで2頭の対戦が見られれば秋の展望が明らかになるでしょう。

今回のレースでの新たな発見は、ウイングレイテストの好走です。初めての1,200mで59kgを背負って2着に入ったのは、この馬の実力そのものでしょう。確かにパワーのいる馬場がこの馬には合っていたのかもしれませんが、先行争いについていけるスピードも見せましたので、この馬のスプリント適性は侮れません。正直、もう1走スプリントレースでの走りを見てみたいですが、それにしても、スプリンターズステークスのダークホースとして面白い1頭になりました。

残念ながら、アサカラキングはスタートで後手を踏んでしまい負けてしまいましたが、これまでの戦績を考えれば、この1走だけで見限ることはできないでしょう。まだ4歳ですので、今後の成長に期待したいと思います。

エプソムカップ2024 レース回顧

こちらがエプソムカップ2024の全着順です。

エプソムカップ2024 全着順

59kgの斤量を背負った1番人気のレーベンスティールが完勝しました。

優勝馬レーベンスティールのプロフィール
 リアルスティール
 トウカイライフ(母父 トウカイテイオー)
馬主 キャロットファーム
生産者 広富牧場
調教師 田中博康(美浦)
通算成績 9戦4勝(24’GⅢエプソムカップ、23’GⅡセントライト記念)

1着のレーベンスティールに関しては、斤量59kgや前走の大敗など不安要素が大きかったものの、終わってみれば完勝でした。この馬の実力をあらためて確認できたレースでしたが、スムーズにレースができたこと、ペースと位置取りが良かったこと、そしてこの2点を完璧にコントロールしたルメール騎手の騎乗が勝因でしょう

確かに強かったのですが、レーベンスティールはいろいろな外的要因が結果に左右してしまうので、なかなか難しい馬です。安定的に結果を残せるようになれば本物だと思います

秋はおそらく天皇賞(秋)でしょうが、下の世代(3歳)からも強い馬が参戦するでしょうし、上の世代もバリバリに活躍していますから、そう簡単に勝たせてはくれないでしょう。夏を越してどのくらい成長できているか、本番前の1戦で確認したいところです

なお、勝ったクリストフ・ルメール騎手のレース後コメントは以下のとおりです。

59キロでも良いパフォーマンスでした。前走はあまり伸びがありませんでしたが、田中調教師から、状態はバッチリだと聞いていたので、自信を持って乗りました。

スタートが良く、良い位置につけられましたし、3.4コーナーの手応えはとても良かったです。直線では段々と加速して、楽に勝つことができました

クリストフ・ルメール騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)

2着のニシノスーベニアは人気薄(9人気)ながらいい脚で伸びて、レーベンスティールにはかなわなかったものの、3着に2馬身差をつける走りを見せました。レーベンスティールとほぼ同じ位置から競馬を進められたので、展開なども向いたのかもしれませが、初めての1,800mで距離延長も問題なく、いやむしろニシノスーベニアは距離を伸ばしたからこそいい走りができたと言えます。

一方、久々の出走になったヴェルトライゼンデですが、正直、ここは様子見のレースという感じでした。本調子はもう少しあとでしょうし、距離ももっと長い方が向いていると思いますので、次走以降も要注目です。

YouTubeのレース映像もぜひご覧ください。

YouTube 2024年 エプソムカップ(GⅢ) | レーベンスティール | JRA公式

厳選6頭の結果

最後に、レース展望でピックアップした函館スプリントステークス2024の厳選6頭の結果をお伝えします。

結果はよかったのですが、私は前述のようにパドックを見てサトノレーヴを消してしまったため、ウイングレイテストとビッグシーザーのワイド馬券しか当たりませんでした(普段から私はワイドBOXしか買いません)。残念。

函館スプリントステークス2024 厳選6頭の結果
S評価 3番アサカラキング→9着
A評価 4番サトノレーヴ→1着 10番ウイングレイテスト→2着 9番キミワクイーン→7着 13番ビッグシーザー→3着
穴評価 12番ジュビリーヘッド(稍重まで)→14着

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