【レース回顧】オークス2024 優勝馬チェルヴィニア【新女王誕生】

【レース回顧】オークス2024 優勝馬チェルヴィニア【新女王誕生】

まさかこんな展開になるとは。

いや、まったく予想していなかったわけではありませんが、まさか本当にチェルヴィニアがあんなに鮮やかな勝ち方をしてくれるとは思っていなかったので。

私が桜花賞後に書いたレース回顧の記事のとおり、チェルヴィニアは桜花賞13着から巻き返して樫の女王に輝きました。一方で、私が推していたPOG指名馬のアドマイヤベルちゃんは残念な敗戦(悲)

今回は、そのオークス2024を振り返ります。

以下のレース展望の記事も合わせて読んでいただくと、さらにわかりやすいかと思います。

<オークス2024のレース展望>

オークス2024 レース結果

こちらがオークス2024の全着順です。

オークス2024 全着順

ステレンボッシュの2冠が期待されたオークスでしたが、2番人気チェルヴィニアが勝ちました。勝ちタイムは2分24秒0。このタイムは歴代6位となる好タイムです。

チェルヴィニアは前走の桜花賞で13着と大敗していたにもかかわらず、オークス当日は2番人気に推されました。ファンの目が正しかったということでしょう。ちなみに、桜花賞二桁着順から巻き返してオークスを勝った馬は、平成以降でいうと2013年のメイショウマンボのみでしたので、チェルヴィニアはそれ以来の快挙となります。

2着に桜花賞馬のステレンボッシュが入り、2冠は逃したものの強さを示しました。3着に3番人気のライトバックが入り、上位3頭を桜花賞組が独占。筆者のPOG指名馬アドマイヤベルは、これらの強豪馬に果敢に挑戦しましたが9着に敗れてしまいました。

優勝馬チェルヴィニアのプロフィール
 ハービンジャー
 チェッキーノ(母父 キングカメハメハ)
馬主 サンデーレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 木村哲也(美浦)
通算成績 5戦3勝(24’GⅠオークス、23’GⅢアルテミスS)

オークス2024 レース展開

オークス2024 スタート~正面スタンド前

キレイな揃ったスタート。大方の予想どおり、16番ショウナンマヌエラが外から果敢にハナを奪いにきました。これに付いていくように17番タガノエルピーダもダッシュで先団へ。

7番ステレンボッシュは中団の馬群の中に入れました。一方、引っかかり癖のある12番チェルヴィニアと14番ライトバックは、馬をなだめながら後方に下げていきます。

オークス2024 第1~第2コーナー

第1コーナーにかかると、逃げる16番ショウナンマヌエラに11番ヴィントシュティレが外から競りかけ、この2頭が一気に後続を引き離していきました

離れた2番手には17番タガノエルピーダと18番ランスオブクイーン、そこからさらに離れて2番クイーンズウオークを先頭に3番手集団を形成。7番ステレンボッシュは3番手集団の馬群の中に入っています。12番チェルヴィニアはステレンボッシュの直後につけ、14番ライトバックは後方から4番手あたり。

桜花賞4着の13番スウィープフィートは、前走と同じように最後方から競馬を進めました。

オークス2024 向正面

向正面に入ると16番ショウナンマヌエラと11番ヴィントシュティレがさらに後続とのリードを広げていきます。いつまで2頭の先行争いが続くのかと思ったら、最終的にはショウナンマヌエラが抑えて、第3コーナー手前では11番ヴィントシュティレが単独で先頭に立ちました。

そして、最初の1,000mが57秒7という超ハイペース。ですが、前の2頭が作り出したペースですので、実質59秒~60秒くらいのペースと考えてもよさそうです。

離れた3、4番手に18番ランスオブクイーンと17番タガノエルピーダ、そこからさらに離れて後続馬群が形成されています。7番ステレンボッシュは馬群の中、12番チェルヴィニアはこれをマークするようにステレンボッシュの直後につけていました。

14番ライトバックは桜花賞よりも前のポジション、後方から5番手の位置です。

オークス2024 第3~第4コーナー

11番ヴィントシュティレが単独先頭で第3~4コーナーを回っていきますが、前の馬たちの脚色が怪しくなり、後続の各馬もグーっと前との差を詰めていきます。

7番ステレンボッシュは馬群の中で身動きが取れない状態。一方、12番チェルヴィニアはステレンボッシュの外に馬を出してポジションを上げていきました。14番ライトバックも外に出してこれを追いかけます。

オークス2024 最後の直線入口

第4コーナーで逃げた11番ヴィントシュティレと16番ショウナンマヌエラは一杯になり、一気に後続馬群に飲み込まれていきます。そして、後続の各馬は直線入口で大きく横に広がって追い込み態勢に入りました。

代わって先頭に立ったのは、なんと18番ランスオブクイーン。そして、その後方から2番クイーンズウォークが絶好の手ごたえで追走します

7番ステレンボッシュは、馬群がバラけたのでその馬群を割って追い込もうとしています。

12番チェルヴィニアと14番ライトバックは外から追い込む形です。

残り400mを切ると、18番ランスオブクイーンと2番クイーンズウォークが抜け出して2頭が先頭に立ちます。

7番ステレンボッシュはスルスルと馬群を割ってこの2頭を追いかけ、残り200mで内側から一気に2頭を交わして先頭に立ちました。

すると、大外から12番チェルヴィニアが凄い脚で追い込み、残り100mでステレンボッシュに並んで2頭の一騎打ちに。脚色が勝ったのはあとから追い込んで来たチェルヴィニアでした。最後は、半馬身差でチェルヴィニアが1着。ステレンボッシュは2着で、惜しくも2冠を逃してしまいました。

3着には、外から中に進路を変えて猛然と追い込んだ14番ライトバックが入り、直線で先に抜け出したクイーンズウォークが4着、ランスオブクイーンが5着に粘り込みました。

私が個人的に応援していた10番アドマイヤベル(POG指名馬)は、いいポジションにはいたのですが、直線で伸びず10着に敗れてしまいました。

YouTubeのレース映像もぜひご覧ください。

YouTube 2024年 NHKマイルカップ(GⅠ) | ジャンタルマンタル | JRA公式

オークス2024 主な出走馬の短評

  • チェルヴィニア(1着)・・・やはり素質はずば抜けていた。オークス4勝目のルメール騎手もすごい。結果的に、桜花賞は太目残りで仕上げ不足だったということか。2,400mという距離と東京が向いていたのは確か。アスコリピチェーノ、ステレンボッシュとの秋の再戦がどんな結果になるか楽しみ。以下はルメール騎手のレース後コメント。

ただいま! 今日はもちろんすごくうれしく思います。皐月賞と桜花賞はミスした(間に合わなかった)ので、オークスとダービーは頑張りたかったです。チェルヴィニアで勝つ自信はありました。

前走での彼女の競馬はあまり良くなかったですが、彼女のポテンシャルは高いと思って、自信を持って乗りました。1600mで優勝していましたし、今回は2400mだったので、最初は『軽い騎乗』がしたかったです。3、4コーナーまで我慢したかったです。直線はすごく良い脚で伸びてくれて、本当のチェルヴィニアを見せてくれました。

(自身は)怪我をしましたが、関係ないですね。騎手の生活にはあることです。藤岡康太騎手と、康太騎手の家族はもっと大変でした。僕の怪我は関係ないです。

 今日応援をしてくれた、多くのファンの皆さん、ありがとうございました。自信がありました。すごく良い結果を出すことが出来ました。また、来週のダービーも応援してください

クリストフ・ルメール騎手レース後のコメントより(netkeiba.com)
  • ステレンボッシュ(2着)・・・レース展開は何も問題なく、戸崎騎手の騎乗にも問題はなかった。ただ、もうワンパンチ足らなかった。体重が減り続けている上に、パドックでも何か迫力が足りないと感じた。2歳時のほうが風格があったような。ただ、さすがの実力を見せてくれた。夏の間の成長に期待。
  • ライトバック(3着)・・・パドックで見た印象はとても良かった。そして、やはり爆発力を持っていた。ただ、まだ上位と実力差がある。キズナ産駒でここまでオークスで頑張れたのは大きい。京都は向いていそうだから、成長次第で秋華賞での逆転はありうる。
  • クイーンズウォーク(4着)・・・川田騎手の積極的な競馬が功を奏したか。パドックでは気合い乗りがイマイチだったが、逆に落ち着きがでて長距離ではよかった。2000mまでならいけるかも。しかし、前から言っているうように、この馬にはやはりマイルが向いていると思う。
  • ランスオブクイーン(5着)・・・まさかの激走。侮っていた。先行勢で5着に粘ったのは、相当スタミナがあるということか。中長距離で活躍が見込めそう。パドックでもいい馬に見えた。
  • スウィープフィート(6着)・・・ちょっと入れ込み気味だった。もっと短い距離がいいかも。スワーヴリチャード産駒の成長力にやや疑問も。
  • アドマイヤベル(9着)・・・やはり心配していたとおり外々を回される結果に。距離ロスもあった上に、2,400m自体も長かったか。秋華賞の巻き返しに期待。ただ、スウィープフィート同様にスワーヴリチャード産駒の成長力に不安も。

今後の見どころ

オークスを制して見事な復活劇を遂げたチェルヴィニア。2歳時からその素質は高く評価されていた馬でしたが、この世代のトップクラスであることをあらためて証明しました。

ただ、あくまで「トップクラス」ということであって、本当の頂点を決める戦いは秋華賞になるでしょう

当然、ステレンボッシュもリベンジを狙っているでしょうし、オークスを回避してNHKマイルカップ2着となった2歳女王のアスコリピチェーノも秋華賞は十分狙えるレースです。正直に言って、オークスは距離と舞台の面でチェルヴィニアに大きなアドバンテージがあったと思いますので、秋華賞は3頭(チェルヴィニア、ステレンボッシュ、アスコリピチェーノ)の最終決戦的な位置づけになりそうです

一方、桜花賞・オークスと連続3着のライトバックや今回は9着と惨敗してしまったアドマイヤベルなども、夏の間に成長できればこれらの3頭に近づくチャンスはあります。

そして、昨年のマスクトディーヴァのように春のクラシックに無縁だった上り馬が急激に力をつけてトライアルを勝つようなことも起こるかもしれません。

ダービーに挑戦するレガレイラも含め、3冠最後の秋華賞も豪華メンバーでの熱戦を期待したいですね。

厳選6頭の結果

最後に、レース展望でピックアップしたオークスの厳選6頭の結果をお伝えします。

人気どおりの結果ではありますが、今回もワイド馬券を的中することができました。YouTubeのライブ配信で最終評価をお伝えしていますので、次回もお楽しみに。切り抜き動画もおすすめですよ。

オークス2024 厳選6頭の結果
S評価 7番ステレンボッシュ→2着
A評価 10番アドマイヤベル→9着 12番チェルヴィニア→1着 14番ライトバック→3着
穴評価 1番ミアネーロ→14着 13番スウィープフィート→6着
YouTube 【ライブ配信】オークス2024/展開予想/パドック解説/レース生実況/振り返り
YouTube 【予言どおりの復活劇】オークス2024ライブ配信 チェルヴィニアまとめ【切り抜き】

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