菊花賞を勝ったドゥレッツァは化け物だ!

菊花賞を勝ったドゥレッツァは化け物だ!

今回はタイトルどおり、「ドゥレッツァは化け物だった」という話です。

前回の雑記ブログで私はこう書いていました。

人気のソールオリエンスとドゥレッツァは一瞬の切れる脚を武器にしていますが、先ほど言ったように菊花賞でこの武器を生かすことは難しいと考えています。1996年のダンスインザダークや2005年のディープインパクトは素晴らしい末脚で菊花賞を勝ちましたが、2頭はスタミナも化け物でした。ソールやドゥレッツァがそうかと言われれば・・・おそらく違うでしょう

R5.10.22掲載「2023菊花賞を簡単に予想してみた」より

そう、私はドゥレッツァを完全に見くびっていました

連勝中とは言え、春のクラシックに出ていないばかりか、オープンクラスすら勝ったことがない馬がいきなり菊花賞を勝つことは難しい。そう結論づけていました。

その結果がこちらです。

YouTube 2023年 菊花賞 (GⅠ) ドゥレッツァ 実況:川島壮雄【カンテレ公式】

菊花賞のレース展開

前回もお見せしましたが、今回も私の手書きの絵でレースを振り返りたいと思います。

スタート〜1週目4コーナー

なんと後方に控えるかと思っていたドゥレッツァが、スタート後の3〜4コーナーでハナを奪いました。レースを見ていた私は「引っかかった。やっちゃった・・・」と思いました。皆さんもそうですかね?

しかし、これにはルメール騎手の素晴らしい判断があったのです。結果論かもしれませんが。

あっという間に隊列は縦長になり、1週目の正面スタンド前で前半1,000mが60秒4を計測しました。普通に考えればハイペースです。後方の馬に有利な展開かと思われましたが、ここからがルメールマジックでした。

ちなみに、2着のタスティエーラは思ったよりも後方の位置どりになり、3着のソールオリエンスは常にタスティエーラを前に見ながらいつも通りの後方待機となりました。

1週目1コーナー〜2週目3コーナー

なんと1週目の1コーナーでドゥレッツァは一気にペースを落とし、2コーナーあたりでパクスオトマニカとリビアングラスに先頭を譲る形になりました。一瞬「何が起こった?」と思いましたが、出遅れて後方にいたトップナイフとサヴォーナがここからまくり気味に順位を上げ、向正面では馬群がギュッと固まったのです。

そして、前半2,000mの通過タイムが2分4秒5を計測した時にわかりました。最初の1,000mが60秒4だったのに対して、2回目の1,000mは64秒1と4秒近くもペースダウンしていたのです。トップナイフの横山典騎手とサヴォーナの池添騎手はこれを察知して一気に順位を上げたのでした。

気がついたら、ドゥレッツァはパクスオトマニカとリビアングラスの後ろでジッと脚をためていました。

2週目4コーナー〜最後の直線

2週目の3コーナーを過ぎると下り坂で一気にペースが上がり、予想どおり逃げていたパクスオトマニカはズルズルと後退し始めて、リビアングラスに先頭が変わりました。

タスティエーラは外からまくって来たソールオリエンスに被されて外に出せず、馬群を割る選択を取ります。ソールオリエンスはいつも通り大外から追い込む態勢を取りましたが、前にいたサヴォーナの影響でかなりの外を回される形になりました

そんな中、直線に入るとドゥレッツァは涼しい顔をしてリビアングラスを並ぶ間も無く交わし先頭に立ちます。その後は弾けるように後続を突き放して2着に滑り込んだタスティエーラに3馬身半差をつけてゴール。

レースの上がり3ハロンが34秒9で、ドゥレッツァ自身の上がり3ハロンが34秒6とメンバー中最速でしたので、まさにドゥレッツァの独壇場となった菊花賞だったと言えます。

ちなみに、私が本命に推していたサトノグランツは見せ場なく10着に惨敗。どうしちゃったのでしょうか?

ドゥレッツァの強さとルメール騎手の神騎乗

菊花賞は「その世代で一番強い馬が勝つレース」と言われています。ドゥレッツァのレースぶりを見ると、それも納得できます。

前回の雑記ブログで書いたように、あの末脚で3,000mの菊花賞を勝つには化け物級のスタミナが必要だと思っています。ダンスインザダークやディープインパクトがそうだったと思いますし、古くは3冠馬ナリタブライアンもそうです。タイプは違いますが、エピファネイアやナリタブライアンの兄ビワハヤヒデの勝ち方も同じくらいインパクトがありました。

ドゥレッツァのゴール前の脚の運びを見ると、他馬とは次元が違う力強さと余裕を感じましたし、ゴール後もまだまだ伸びそうなスピード感を感じました。

今回のレースで忘れてはならないのが、ルメール騎手の好騎乗でしょう。

元騎手の田原成貴さんや福永祐一さんも「神騎乗」だという認識を示されていました。

いくら能力のある馬であっても3,000mという長距離を折り合いを欠いて走ってしまうと、スタミナをロスして最後の伸びや切れが鈍くなってしまいます。

ルメール騎手は、馬の気持ちや行く気を敏感に感じ取って、ドゥレッツァを逃がす選択を取ったようです。正面スタンド前を通過したくらいで馬が落ち着いたので、ペースを落として3番手に控えています。つまり、ドゥレッツァの武器である末脚とスタミナを最高の状態で発揮する騎乗をしたということです。まさに「人馬一体」という言葉がピッタリのルメール騎手とドゥレッツァでした。

ドゥレッツァは化け物だ!

ルメール騎手の神騎乗があったとはいえ、初距離の3,000mをあの末脚で圧勝したドゥレッツァは間違いなく「化け物」と言えます。

今回、オークスでリバティアイランドに感じた感覚と似たような感覚になりました。そう、「スーパーホース」誕生の予感です。

この感覚が正しかったかどうかは、次の古馬との戦いで証明されるでしょう。奇しくもリバティアイランドと同じドゥラメンテ産駒のドゥレッツァ。リバティアイランドとの対戦も是非見てみたい気がします。

ワクワクが止まらない先週の菊花賞でした。

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