世界的に、サラブレッドの血統は特定の父系に集約されつつある、と認識している。 具体的には、ノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系、そして、日本のサンデーサイレンス系である。
これら3系統(サイアーライン)は、いずれもサラブレッドの三大始祖ダーレーアラビアン(のうちのエクリプス系)から生まれた系統であり、残りの三大始祖、すなわちゴドルフィンアラビアンとバイアリータークの直系の血統は、ほぼ絶滅に近い状況になっている(母系としては残っているが)。
この認識が単なる個人的な印象である可能性があるため、あらためて日本競馬における血統支配率を調べてみることにした。 なお、今回は2025年の1年間の競走成績をもとに調査したが、必要ならば、2024年以前にもさかのぼって推移を調べてみるつもりだ。
以下、今回の調査の方法と結果を示す。
- 2025年JRA所属馬の血統支配率調査
- 【調査対象】2025年1月1日~同年12月31日までの間にJRAが開催した全レース(平地及び障害)に1回でも出走したJRA所属馬(JRAに競走馬登録があったとしても、該当期間中に1回も出走しなかった馬は対象外)
【調査方法】競馬データ解析ソフト「TARGET frontier JV」を使ってJRA-VANのデータを解析
【血統支配率の算出方法】対象馬の総数に対する父系ごとの頭数の割合(%)を算出
【結果】
・ 調査対象の競走馬:11,891頭(牡馬6,045頭、牝馬5,203頭、セン馬643頭)
・血統支配率(割合が高い順)
サンデーサイレンス系 36.7%(4,368頭)
ノーザンダンサー系 21.3%(2,527頭)
キングカメハメハ系 14.4%(1,715頭)
ミスタープロスペクター系(キングカメハメハ系を除く) 10.2%(1,218頭)
ロベルト系 8.5%(1,009頭)
ナスルーラ系 7.2%(854頭)
その他のエクリプス系 1.6%(192頭)←ここまでダーレーアラビアン系
マンノウォー系 0.0%(1頭)←ゴドルフィンアラビアン系
パーソロン系 0.0%(2頭)←バイアリーターク系
【サンデーサイレンス系の血統支配率の詳細(再掲)】
ディープインパクト系 18.9%(2,251頭)
ステイゴールド系 4.2%(494頭)
ハーツクライ系 3.4%(401頭)
ゴールドアリュール系 2.5%(294頭)
ダイワメジャー系 2.4%(289頭)
ブラックタイド系 2.2%(263頭)
フジキセキ系 1.9%(227頭)
その他 1.3%(149頭)
【ノーザンダンサー系の血統支配率の詳細(再掲)】
ストームキャット系 10.0%(1,189頭)
サドラーズウェルズ系 3.6%(426頭)
デインヒル系 2.3%(268頭)
デピュティミニスター系 1.1%(125頭)
その他 4.4%(521頭)
1か年ではあるが、確かにサンデーサイレンス系の血統支配率は最も高かった。
しかし、印象的には50%以上あるものと思っていたが、4割を下回っている。
その中でも、ディープインパクト系が多くを占めていたのは予想どおりだ。
そして、意外にも、ノーザンダンサー系がキングカメハメハ系を上回って2番目に血統支配率が高くなっていた。
ノーザンダンサー系は、特に欧州で支配率が高い印象だが、日本に関しては米国由来のストームキャット系が半数を占めた。
今回は、あくまで競走馬の頭数ベースでの血統支配率を算出してみたが、今後は賞金ベースや繁殖牝馬の頭数ベースでも調べてみたい。
