
2歳重賞もポツポツと開催されるようになり、2025~2026シーズンのPOGもいよいよ白熱してきました。
今回も新馬戦・未勝利戦を勝ちあがった注目馬と、KB独自調べの2歳馬ランキングと新種牡馬ランキングを合わせてご紹介します。
2025年10月第2週 2歳新馬・未勝利戦 レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。



表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
では、注目の勝ち馬を紹介しましょう。
注目馬1 ウィッキドピケット(2歳牡馬)
1頭目の注目馬は、父モーニンの正統後継者となりそうなウィッキドピケットです。
- ウィッキドピケットのプロフィール
- 父 モーニン
母 スパイスシャワー(母父 フジキセキ)
馬主 ジャコモ
生産者 BloomingFarm
調教師 林徹(美浦)
初勝利 R7.10.11 東京 ダート1,400m 2歳新馬 勝ちタイム1:25.4
評価 レース★★★★ 血統★★★
適性 ダート1,200m~1,800m
現役時代にフェブラリーステークスを制して種牡馬入りしたモーニンでしたが、これまで中央重賞で活躍するような馬は輩出していませんでした。
ウィッキドピケットは、順調に成長すればダート重賞で活躍するような馬になるかもしれません。
デビュー戦でウィッキドピケットは素質の高さを十分に見せつけました。
スタートダッシュを決めて先頭を走り、直線でも楽な手ごたえで後続をまったく寄せ付けずに、最後はグンとスピードアップして6馬身突き放しました。
タイムは平凡でしたが、バランスのいいフォームをしていて、完成度は高そうです。
今年のJpnⅢクラスターカップを勝ったサンライズアムールと同じ牝系で、母父フジキセキという血統からも、ウィッキドピケットは父のようにフェブラリーステークス制覇を目標に歩んでいくでしょう。
注目馬2 イクシード(2歳牝馬)
2頭目の注目馬は、競馬ファン大注目のイクイノックスの全妹イクシードです。
- イクシードのプロフィール
- 父 キタサンブラック
母 シャトーブランシュ(母父 キングヘイロー)
馬主 シルクレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 木村哲也(美浦)
初勝利 R7.10.12 東京 芝2,000m 2歳新馬 勝ちタイム2:00.2
評価 レース★★★★ 血統★★★★★
適性 芝1,600m~2,400m
ついに牝馬クラシックの大物が出てきました。いや、もしかすると、兄の果たせなかったダービー制覇も夢ではないかもしれません。
それほど、イクシードのデビュー勝ちはインパクトがありました。
当然、イクイノックスの全妹ということで、人気も集めていましたし、勝つだろうとは思いましたが、そうは言っても「超名馬の下(弟や妹)は走らない」というジンクスもあって、半信半疑ではありました。
その疑念をいい意味で裏切ってくれたデビュー戦となったのです。
スタートは外に膨れて後手を踏んだものの、なんとか中団につけると、直線に向いてからの末脚はイクイノックスのソレを思わせました。
ピッチが速いのに滞空時間が長いというフットワークも兄に似ており、乗っていたルメール騎手もイクイノックスに似ているところがあるとコメントしていました。
牝馬三冠を狙えるのは当然として、もしかすると、同じ木村哲也厩舎のレガレイラのように牡馬クラシック路線を歩むことになるかもしれません。そのためにも、今年の暮れはホープフルステークスでその姿を見てみたいものです。
注目馬3 バルセシート(2歳牡馬)
3頭目の注目馬は、こちらも名牝レシステンシアの半弟にあたるバルセシートです。
- バルセシートのプロフィール
- 父 キズナ
母 マラコスタムプラダ(母父 Lizard Island)
馬主 キャロットファーム
生産者 ノーザンファーム
調教師 松下武士(栗東)
初勝利 R7.10.13 京都 芝1,600m 2歳新馬 勝ちタイム1:33.6
評価 レース★★★★ 血統★★★★
適性 芝1,200m~1,800m
姉レシステンシアは2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったほか、高松宮記念など短距離GⅠで5回も2着に入った超快速馬でした。
バルセシートは姉にも負けないスピードを秘めていそうですが、父がキズナに変ったことでより柔軟なレース選択ができるかもしれません。
デビュー戦となった芝のマイル戦で、スタートダッシュはつかなかったものの、中団から一気の末脚であっという間に前を交わすと、最後は3馬身半の差をつけて完勝しました。
まだ精神面では課題がありそうですが、好タイムでの勝利に、この馬の素質の高さを感じます。
今後は朝日杯フューチュリティステークスからNHKマイルカップというプランになりそうですが、精神面が成長すれば中距離までこなせるようになるかもしれません。
2歳馬ランキング(KB独自調べ)
今シーズンの注目馬や筆者独自のランキングを掲載しています。
2歳牡馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★★☆☆ | リアライズシリウス | ポエティックフレア | 手塚貴久(美浦) | 2戦2勝 (新潟2歳S) | 12/21朝日杯FS or 12/27ホープフルS |
★★★☆☆ | ロードラヴォール | エピファネイア | 中内田充正(栗東) | 2戦2勝 (紫菊賞) | |
★★☆☆☆ | ショウナンガルフ | ハービンジャー | 須貝尚介(栗東) | 2戦2勝 (札幌2歳S) | 12/27ホープフルS |
★☆☆☆☆ | アーレムアレス | ハービンジャー | 橋口慎介(栗東) | 2戦1勝 | 11/16黄菊賞 |
★☆☆☆☆ | アスクエジンバラ | リオンディーズ | 福永祐一(栗東) | 3戦2勝 (コスモス賞) | |
★☆☆☆☆ | ウイナーズナイン | エピファネイア | 小栗実(栗東) | 2戦2勝 (芙蓉S) | 11/29京都2歳S |
★☆☆☆☆ | オルネーロ | サトノダイヤモンド | 宮田敬介(美浦) | 1戦1勝 | 10/26萩S |
★☆☆☆☆ | カヴァレリッツォ | サートゥルナーリア | 吉岡辰弥(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | キッコベッロ | Study of Man | 友道康夫(栗東) | 1戦1勝 | 10/26萩S |
★☆☆☆☆ | グリオンヴール | エピファネイア | 宮田敬介(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | クレパスキュラー | リオンディーズ | 栗田徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ゴーイントゥスカイ | コントレイル | 上原佑紀(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ジーネキング | コントレイル | 斎藤誠(美浦) | 4戦1勝 | 11/29京都2歳S or 12/27ホープフルS |
★☆☆☆☆ | ストームサンダー | ヘンリーバローズ | 安達昭夫(栗東) | 5戦1勝 (クローバー賞) | 11/15デイリー杯2歳S |
★☆☆☆☆ | タイダルロック | モーリス | 武井亮(美浦) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ダノンヒストリー | エピファネイア | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ディバインウインド | スワーヴリチャード | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | モノポリオ | リアルスティール | 森一誠(美浦) | 1戦1勝 | 10/18アイビーS |
★☆☆☆☆ | ライヒスアドラー | シスキン | 上原佑紀(美浦) | 1戦1勝 | 11/24東スポ杯2歳S |
ロードラヴォールが紫菊賞(1勝クラス)を衝撃的な走りで逃げ切り。ウイナーズナインは次走GⅢ京都2歳ステークスへ。
2歳牝馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★☆☆☆ | アランカール | エピファネイア | 斉藤崇史 (栗東) | 2戦2勝 (野路菊S) | |
★☆☆☆☆ | アルバンヌ | アドマイヤマーズ | 田中博康(美浦) | 3戦2勝 (サフラン賞) | 12/14阪神JF |
★☆☆☆☆ | アンヘリータス | ニューイヤーズデイ | 吉村圭司(栗東) | 2戦2勝 (ひまわり賞) | 11/1ファンタジーS |
★☆☆☆☆ | イクシード | キタサンブラック | 木村哲也(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | オブラプリーマ | ヴァンゴッホ | 上原佑紀(美浦) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | サンアントワーヌ | ドレフォン | 鹿戸雄一(美浦) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | スターアニス | ドレフォン | 高野友和(栗東) | 3戦1勝 | 12/14阪神JF |
★☆☆☆☆ | タイセイボーグ | インディチャンプ | 松下武士(栗東) | 3戦1勝 | 10/25アルテミスS |
★☆☆☆☆ | ハッピーエンジェル | ジョーカプチーノ | 武市康男(美浦) | 2戦2勝 (ダリア賞) | |
★☆☆☆☆ | フェスティバルヒル | サートゥルナーリア | 四位洋文(栗東) | 2戦1勝 | 11/1ファンタジーS |
★☆☆☆☆ | ブラックチャリス | キタサンブラック | 武幸四郎(栗東) | 2戦1勝 | 11/1ファンタジーS |
★☆☆☆☆ | ポペット | サトノクラウン | 高橋康之(栗東) | 2戦1勝 | 11/1ファンタジーS |
★☆☆☆☆ | マルガ | モーリス | 須貝尚介(栗東) | 1戦1勝 | 10/25アルテミスS |
★☆☆☆☆ | ラスティングスノー | モズアスコット | 池上昌和(美浦) | 3戦2勝 (りんどう賞) | |
★☆☆☆☆ | リリージョワ | シルバーステート | 武幸四郎(栗東) | 1戦1勝 | 10/19もみじS |
★☆☆☆☆ | ルージュダリア | リオンディーズ | 林徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ルージュボヤージュ | コントレイル | 国枝栄(美浦) | 1戦1勝 |
イクシードが新馬戦を快勝。フェスティバルヒルは次走GⅢファンタジーステークスへ。
2歳ダート路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★☆☆☆ | サトノボヤージュ(牡) | Into Mischief | 田中博康(美浦) | 2戦1勝 | 11/9オキザリス賞 or 11/29カトレアS |
★★☆☆☆ | マグナヴィクトル(牡) | Maxfield | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ウィッキドピケット(牡) | モーニン | 林徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ウェイニースー(牡) | Into Mischief | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 | 11/2もちの木賞 |
★☆☆☆☆ | エムフォー(牡) | フォーウィールドライブ | 石坂公一(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | テイエムキハク(牡) | ルヴァンスレーヴ | 伊藤圭三(美浦) | 2戦2勝 (プラタナス賞) | |
★☆☆☆☆ | ペルセア(牝) | ドレフォン | 武井亮(美浦) | 2戦2勝 (ヤマボウシ賞) | |
★☆☆☆☆ | マテンロウダビンチ(牡) | Uncle Mo | 中内田充正(栗東) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ラブルラウザー(牝) | パイロ | 大久保龍志(栗東) | 3戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | リュウカルネ(牡) | ドレフォン | 伊藤圭三(美浦) | 1戦1勝 | 11/29カトレアS |
ウィッキドピケットが新馬戦を6馬身差で圧勝。テイエムキハクがプラタナス賞(1勝クラス)を完勝。
2歳短距離路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★☆☆☆ | エコロアルバ(牡) | モズアスコット | 田村康仁(美浦) | 2戦2勝 (サウジアラビアRC) | |
★★☆☆☆ | キャンディード(牡) | トーセンラー | 松下武士(栗東) | 2戦2勝 (中京2歳S) | 11/15デイリー杯2歳S |
★☆☆☆☆ | ウチュウノセカイ(牡) | タワーオブロンドン | 青木孝文(美浦) | 4戦2勝 (カンナS) | |
★☆☆☆☆ | エイシンディード(牡) | ファインニードル | 大久保龍志(栗東) | 3戦2勝 (函館2歳S) | 11/8京王杯2歳S |
★☆☆☆☆ | ガリレア(牡) | モズアスコット | 清水英克(美浦) | 3戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | バルセシート(牡) | キズナ | 松下武士(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ラブノー(牝) | モーリス | 徳永雅樹(美浦) | 1戦1勝 |
エコロアルバがGⅢサウジアラビアロイヤルカップを快勝、ガリレアが2着。バルセシートが新馬戦を快勝。
JRA新種牡馬リーディング2025(KB独自調べ)
筆者独自調べの新種牡馬リーディングです。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金(万円) | 代表馬 |
1 | コントレイル | 9 | 0(0) | 9 | 0 | 13,284 | ジーネキング |
2 | ポエティックフレア | 6 | 1(0) | 5 | 1 | 8,805 | リアライズシリウス |
3 | インディチャンプ | 4 | 0(0) | 4 | 0 | 6,569 | タイセイボーグ |
4 | クリソベリル | 4 | 0(0) | 0 | 4 | 6,246 | ボクマダネムイヨ |
5 | ベンバトル | 4 | 0(0) | 4 | 0 | 6,194 | ベレーバスク |
6 | ダノンスマッシュ | 2 | 0(0) | 2 | 0 | 3,754 | ナムラドロン |
7 | フィレンツェファイア | 4 | 0(0) | 3 | 1 | 3,713 | ルージュサウダージ |
8 | ミスチヴィアスアレックス | 3 | 0(0) | 0 | 3 | 3,604 | マーゴットサンズ |
以下は、2歳種牡馬リーディングの上位3頭です。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金 (万円) | 代表馬 |
1 | エピファネイア | 21 | 0(0) | 20 | 1 | 24,810 | ロードラヴォール |
2 | キズナ | 11 | 0(0) | 10 | 1 | 13,890 | ドリームコア |
3 | モーリス | 12 | 0(0) | 11 | 1 | 13,509 | タイダルロック |
参考文献
「週刊Gallop 臨時増刊 丸ごとPOG 2025~2026」(サンケイスポーツ)
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