
2歳重賞もポツポツと開催されるようになり、2025~2026シーズンのPOGもいよいよ白熱してきました。
今回も新馬戦・未勝利戦を勝ちあがった注目馬と、KB独自調べの2歳馬ランキングと新種牡馬ランキングを合わせてご紹介します。
2025年9月第2週 2歳新馬・未勝利戦 レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。

これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
では、注目の勝ち馬を紹介しましょう。
注目馬1 ライヒスアドラー(2歳牡馬)
注目馬の1頭目は、予想外に多くの活躍馬を送り出している種牡馬シスキン産駒のライヒスアドラーです。
- ライヒスアドラーのプロフィール
- 父 シスキン
母 クライリング(母父 ハーツクライ)
馬主 G1レーシング
生産者 追分ファーム
調教師 上原佑紀(美浦)
初勝利 R7.9.14 中山 芝1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:51.5
評価 レース★★★★ 血統★★★
適性 芝1,600m~2,200m
今年デビューの馬が種牡馬としては2年目の産駒となるシスキン。ファーストクロップとなった昨年はわずか7頭しか登録がなかった産駒の中から阪神JF3着のテリオスララが出るなど、関係者の間でも評判が高まっているようです。
ライヒスアドラーは、「シスキンの代表産駒になるのではないか」と期待させるようなパフォーマンスでデビュー戦を勝ちあがりました。
スローペースを2番手でしっかり折り合うと、直線では素晴らしい瞬発力を見せて一気に突き抜けました。特に、フットワークの良さが魅力的で、一言では言い表せませんが「この馬は違う」と思わせる迫力があります。
シスキン産駒のサンプル数が少ないので距離適性を測ることは難しいのですが、母父ハーツクライということも加味すると2,000mくらいがベストかもしれません。スピードもありそうですので、今年は朝日杯FSとホープフルSのどちらでも狙える位置にいるではないでしょうか。
注目馬2 ラブルラウザー(2歳牝馬)
注目馬の2頭目は、ようやく牝馬から現れたダート路線の有力馬ラブルラウザーです。
- ラブルラウザーのプロフィール
- 父 パイロ
母 ポピュリズム(母父 ダイワメジャー)
馬主 ゴドルフィン
生産者 ダーレー・ジャパン・ファーム
調教師 大久保龍志(栗東)
初勝利 R7.9.14 阪神 ダート1,400m 2歳未勝利 勝ちタイム1:24.0
評価 レース★★★★★ 血統★★★
適性 ダート1,400m~2,000m
これまで牡馬ばかりが目立ってきた2歳のダート路線ですが、ようやく牝馬でも「これは」という素質馬が現れました。しかも、いきなり怪物級の強さを見せつけられたのです。
母系が芝の血統だったこともあって、デビュー2戦は芝のレースを使われたラブルラウザーでしたが、あと一歩で勝てないというレースが続いていました。
しかし、3戦目でダートに変ると、いきなり7馬身差の圧勝劇。道中は先頭から少し離れた3番手を追走していましたが、直線に入って一気に先頭をとらえると異次元の脚で他馬を置き去りにしてしまいました。勝ちタイムもなかなかの好タイムでした。
ラブルラウザーは父パイロから大きく影響を受けている可能性がありますので、当然ダート適性は高いと思いますが、距離適性もある程度は融通が利くはず。今回見せたようなスピード競馬だけでなく、中距離の舞台でも活躍できるでしょうから、ぜひ3歳ダート三冠でその姿を見てみたいですね。
注目馬3 ウェイニースー(2歳牡馬)
注目馬の3頭目は、なんと3週連続で中内田厩舎から現れたダート路線の大物ウェイニースーです。
- ウェイニースーのプロフィール
- 父 Into Mischief
母 Cariba(母父 Cairo Prince)
馬主 藤田晋
生産者 Candy Meadows LLC
調教師 中内田充正(栗東)
初勝利 R7.9.14 阪神 ダート1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:55.2
評価 レース★★★★ 血統★★★
適性 ダート1,600m~2,000m
先々週のマテンロウダビンチ、先週のマグナヴィクトル、そして今回のウェイニースーと3週連続で中内田厩舎と川田将雅騎手のコンビで勝ち上がった外国産馬の怪物たち。もしかすると、来年の3歳ダート三冠は中内田厩舎の馬たちが独占してしまうかもしれません。
今や日本でもおなじみのInto Mischiefを父に持つウェイニースーですが、母父Cairo Princeの名前はあまり聞いたことがないかもしれません。Cairo Prince自身もそうでしたが、産駒たちもGⅠにはなかなか手が届かず、アメリカ国内でひっそりと種牡馬生活を送っている馬のようです。ちなみに、米三冠馬アメリカンファラオと同じ
Pioneerof the Nileを父に持つミスタープロスペクター系の種牡馬です。
ウェイニースーのデビュー戦は阪神ダート1,800m。タイムこそ平凡ですが、そのパフォーマンスはタイムでは表せない奥深いものでした。
5番手で折り合って、抑えきれずに4コーナーで先頭に並びかけると、直線ではあっという間に7馬身差突き放してしまいました。
血統面も含めて、今後どんな成長を見せるのか非常に興味深い馬です。
2歳馬ランキング(KB独自調べ)
今シーズンの注目馬や筆者独自のランキングを掲載しています。
2歳牡馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★★☆☆ | リアライズシリウス | ポエティックフレア | 手塚貴久(美浦) | 2戦2勝 (新潟2歳S) | 12/21朝日杯FS or 12/27ホープフルS |
★★☆☆☆ | ショウナンガルフ | ハービンジャー | 須貝尚介(栗東) | 2戦2勝 (札幌2歳S) | |
★☆☆☆☆ | アーレムアレス | ハービンジャー | 橋口慎介(栗東) | 2戦1勝 | 10/11紫菊賞 |
★☆☆☆☆ | アスクエジンバラ | リオンディーズ | 福永祐一(栗東) | 3戦2勝 (コスモス賞) | 10/11サウジアラビアRC |
★☆☆☆☆ | オルネーロ | サトノダイヤモンド | 宮田敬介(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | カヴァレリッツォ | サートゥルナーリア | 吉岡辰弥(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | キッコベッロ | Study of Man | 友道康夫(栗東) | 1戦1勝 | 10/26萩S |
★☆☆☆☆ | グリオンヴール | エピファネイア | 宮田敬介(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | クレパスキュラー | リオンディーズ | 栗田徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ジーネキング | コントレイル | 斎藤誠(美浦) | 4戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ストームサンダー | ヘンリーバローズ | 安達昭夫(栗東) | 5戦1勝 (クローバー賞) | 11/15デイリー杯2歳S |
★☆☆☆☆ | タイダルロック | モーリス | 武井亮(美浦) | 1戦1勝 | 9/27芙蓉S |
★☆☆☆☆ | ダノンヒストリー | エピファネイア | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ディバインウインド | スワーヴリチャード | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | モノポリオ | リアルスティール | 森一誠(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ライヒスアドラー | シスキン | 上原佑紀(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ロードラヴォール | エピファネイア | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 |
ライヒスアドラーが新馬戦を快勝。アーレムアレスは次走紫菊賞(1勝クラス)へ。キッコベッロは次走萩ステークス(L)へ。リアライズシリウスは次走GⅠ朝日杯フューチュリティステークスかGⅠホープフルステークスへ。
2歳牝馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★☆☆☆☆ | アランカール | エピファネイア | 斉藤崇史 (栗東) | 1戦1勝 | 9/20野路菊S |
★☆☆☆☆ | アンヘリータス | ニューイヤーズデイ | 吉村圭司(栗東) | 2戦2勝 (ひまわり賞) | |
★☆☆☆☆ | オブラプリーマ | ヴァンゴッホ | 上原佑紀(美浦) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | サンアントワーヌ | ドレフォン | 鹿戸雄一(美浦) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | タイセイボーグ | インディチャンプ | 松下武士(栗東) | 3戦1勝 | 10/25アルテミスS |
★☆☆☆☆ | ハッピーエンジェル | ジョーカプチーノ | 武市康男(美浦) | 2戦2勝 (ダリア賞) | |
★☆☆☆☆ | フェスティバルヒル | サートゥルナーリア | 四位洋文(栗東) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ブラックチャリス | キタサンブラック | 武幸四郎(栗東) | 2戦1勝 | 11/1ファンタジーS |
★☆☆☆☆ | ポペット | サトノクラウン | 高橋康之(栗東) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | マルガ | モーリス | 須貝尚介(栗東) | 1戦1勝 | 10/25アルテミスS |
★☆☆☆☆ | リリージョワ | シルバーステート | 武幸四郎(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ルージュダリア | リオンディーズ | 林徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ルージュボヤージュ | コントレイル | 国枝栄(美浦) | 1戦1勝 |
ブラックチャリスは次走GⅢファンタジーステークスへ。ルージュダリアは次走未定(放牧)に。
2歳ダート路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★☆☆☆ | サトノボヤージュ(牡) | Into Mischief | 田中博康(美浦) | 2戦1勝 | 11/9オキザリス賞 or 11/29カトレアS |
★★☆☆☆ | マグナヴィクトル(牡) | Maxfield | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ウェイニースー(牡) | Into Mischief | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | エムフォー(牡) | フォーウィールドライブ | 石坂公一(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | マテンロウダビンチ(牡) | Uncle Mo | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ラブルラウザー(牝) | パイロ | 大久保龍志(栗東) | 3戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | リュウカルネ(牡) | ドレフォン | 伊藤圭三(美浦) | 1戦1勝 |
ラブルラウザーが未勝利戦を7馬身差で圧勝。ウェイニースーが新馬戦を7馬身差で圧勝
2歳短距離路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★★☆☆☆ | キャンディード(牡) | トーセンラー | 松下武士(栗東) | 2戦2勝 (中京2歳S) | 11/15デイリー杯2歳S |
★☆☆☆☆ | エイシンディード(牡) | ファインニードル | 大久保龍志(栗東) | 3戦2勝 (函館2歳S) | |
★☆☆☆☆ | スターアニス(牝) | ドレフォン | 高野友和(栗東) | 3戦1勝 |
特記事項なし。
JRA新種牡馬リーディング2025(KB独自調べ)
筆者独自調べの新種牡馬リーディングです。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金(万円) | 代表馬 |
1 | コントレイル | 6 | 0(0) | 6 | 0 | 9,491 | ジーネキング |
2 | ポエティックフレア | 4 | 1(0) | 3 | 0 | 6,390 | リアライズシリウス |
3 | インディチャンプ | 3 | 0(0) | 3 | 0 | 5,429 | タイセイボーグ |
4 | ベンバトル | 2 | 0(0) | 2 | 0 | 3,950 | ベレーバスク |
5 | クリソベリル | 2 | 0(0) | 0 | 2 | 3,192 | チャーリー |
6 | フィレンツェファイア | 3 | 0(0) | 3 | 0 | 2,823 | ルージュサウダージ |
7 | ダノンスマッシュ | 1 | 0(0) | 1 | 0 | 2,782 | ナムラドロン |
8 | ダノンプレミアム | 1 | 0(0) | 0 | 1 | 2,711 | ロードヴィゴラス |
以下は、2歳種牡馬リーディングの上位3頭です。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金 (万円) | 代表馬 |
1 | エピファネイア | 12 | 0(0) | 12 | 0 | 14,036 | ダノンヒストリー |
2 | キズナ | 7 | 0(0) | 7 | 0 | 9,779 | ドリームコア |
3 | コントレイル (再掲) | 6 | 0(0) | 6 | 0 | 9,491 | ジーネキング |
参考文献
「週刊Gallop 臨時増刊 丸ごとPOG 2025~2026」(サンケイスポーツ)
Amazonのアソシエイトとして、競馬ディスカバリーブログは適格販売により収入を得ています。