
2歳オープンクラスのレースもはじまり、2025~2026シーズンのPOGもいよいよ白熱してきました。
今回も新馬戦・未勝利戦を勝ちあがった注目馬と、KB独自調べの2歳馬ランキングと新種牡馬ランキングを合わせてご紹介します。
2025年8月第1週 2歳新馬・未勝利戦 レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。

これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
では、注目の勝ち馬を紹介しましょう。
注目馬1 ポペット(2歳牝馬)
注目馬の1頭目は、人気薄ながら衝撃の末脚で快勝したポペットです。
- ポペットのプロフィール
- 父 サトノクラウン
母 プティシュシュ(母父 エピファネイア)
馬主 小林竜太郎
生産者 岩見牧場
調教師 高橋康之(栗東)
初勝利 R7.8.2 札幌 芝1,500m 2歳新馬 勝ちタイム1:29.3
評価 レース★★★★ 血統★★★
適性 芝1,400m~1,800m
タスティエーラ以来これと言って目立つ馬が現れなかった種牡馬サトノクラウンでしたが、桜花賞を目指させそうな期待の牝馬が現れました。
近親にそれほど目立った活躍馬がいなかったこと、また父サトノクラウンという”地味さ”もあって、7番人気に甘んじていたポペット。
しかし、そんな低評価をあざ笑うかのように、レースでは圧巻の末脚を披露。ムチを使わず直線だけで一気に突き抜け、上がり33秒9というタイム以上に強烈な印象を残しました。
もちろん減量騎手による斤量面の恩恵はあったでしょうが、それにしても能力の高さは証明できたでしょう。
距離適性的にはマイル前後がよさそうで、スピードと瞬発力を生かして、まずは阪神ジュベナイルフィリーズ制覇を目指します。
注目馬2 クレパスキュラー(2歳牡馬)
注目馬の2頭目は、またしても現れた牡馬クラシックの主役候補クレパスキュラーです。
- クレパスキュラーのプロフィール
- 父 リオンディーズ
母 エリスライト(母父 ディープインパクト)
馬主 キャロットファーム
生産者 ノーザンファーム
調教師 栗田徹(美浦)
初勝利 R7.8.3 札幌 芝1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:47.2
評価 レース★★★★ 血統★★★
適性 芝1,800m~3,000m
すでに2歳牡馬のクラシック候補は何頭も現れていますが(下のランキング参照)、その中でも「三冠が狙える馬」という点で言えば、この馬が筆頭かもしれません。
なんと言っても、レースの勝ちっぷりが三冠馬の”それ”でした。タイムは2歳コースレコード、2着につけたリードも5馬身。終始ペースを握って、力の違いで他馬をねじ伏せるレースぶりは、ワクワク感さえ覚えました。
2着馬も決して弱い馬ではなく、むしろ能力は高そうでしたので、正直この世代でクレパスキュラーはズバ抜けているのでしょう。
個人的には、菊花賞馬のドゥレッツァに似ていると感じました。もちろん、同じキャロットファームの馬ということもありますが、バランスのよい走行フォームでどこまでも伸びていきそうなフットワークは、2000mから3000mまでのどの距離でもこなせそう。
ドゥレッツァのように、先行しながら瞬発力で後続を突き放すようなレースがこの馬の真骨頂ではないでしょうか。
ここまで紹介した2頭のほかにも、名馬アーモンドアイの2番仔プロメサアルムンド、同じく名馬リバティアイランドの半妹コニーアイランドも血統的、話題的に注目の馬たちですが、期待の大きさに対してまだまだ能力が追い付いていない印象です。
果たしてどこまで活躍できるのか、じっくり見守りたいと思います。
以下のYouTube動画で、今回紹介した馬たちのレースを是非ご覧ください。
2歳馬ランキング(KB独自調べ)
今シーズンの注目馬や筆者独自のランキングを掲載しています。
2歳牡馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★☆☆☆☆ | アーレムアレス | ハービンジャー | 橋口慎介(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | クレパスキュラー | リオンディーズ | 栗田徹(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ショウナンガルフ | ハービンジャー | 須貝尚介(栗東) | 1戦1勝 | 9/6札幌2歳S |
★☆☆☆☆ | タイダルロック | モーリス | 武井亮(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ダノンヒストリー | エピファネイア | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ディバインウインド | スワーヴリチャード | 堀宣行(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | ブラックチャリス | キタサンブラック | 武幸四郎(栗東) | 2戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | モノポリオ | リアルスティール | 森一誠(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | リアライズシリウス | ポエティックフレア | 手塚貴久(美浦) | 1戦1勝 | 8/24新潟2歳S |
★☆☆☆☆ | ロードラヴォール | エピファネイア | 中内田充正(栗東) | 1戦1勝 |
クレパスキュラーが5馬身差で新馬戦を圧勝。
2歳牝馬(クラシック)路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★☆☆☆☆ | アランカール | エピファネイア | 斉藤崇史 (栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | アンヘリータス | ニューイヤーズデイ | 吉村圭司(栗東) | 2戦2勝 (ひまわり賞) | |
★☆☆☆☆ | オブラプリーマ | ヴァンゴッホ | 上原佑紀(美浦) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | サンアントワーヌ | ドレフォン | 鹿戸雄一(美浦) | 1戦1勝 | 8/24新潟2歳S |
★☆☆☆☆ | ポペット | サトノクラウン | 高橋康之(栗東) | 1戦1勝 | |
★☆☆☆☆ | マルガ | モーリス | 須貝尚介(栗東) | 1戦1勝 | 10/25アルテミスS |
★☆☆☆☆ | ルージュボヤージュ | コントレイル | 国枝栄(美浦) | 1戦1勝 |
ポペットが新馬戦を快勝。ルージュボヤージュの次走は未定に。
2歳ダート路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★☆☆☆☆ | エムフォー(牡) | フォーウィールドライブ | 石坂公一(栗東) | 1戦1勝 |
特記事項なし。
2歳短距離路線
レーティング (5点満点) | 馬名(性齢) | 父名 | 所属厩舎 | 通算成績 (主な勝ち鞍) | 次走予定 |
★☆☆☆☆ | エイシンディード(牡) | ファインニードル | 大久保龍志(栗東) | 3戦2勝 (函館2歳S) |
特記事項なし。
JRA新種牡馬リーディング2025(KB独自調べ)
筆者独自調べの新種牡馬リーディングです。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金(万円) | 代表馬 |
1 | コントレイル | 3 | 0(0) | 3 | 0 | 4,460 | ルージュボヤージュ |
2 | インディチャンプ | 2 | 0(0) | 2 | 0 | 2,620 | タイセイボーグ |
3 | ベンバトル | 0 | 0(0) | 0 | 0 | 2,006 | – |
4 | ポエティックフレア | 1 | 0(0) | 1 | 0 | 1,924 | リアライズシリウス |
5 | フィレンツェファイア | 2 | 0(0) | 2 | 0 | 1,476 | ルージュサウダージ |
6 | ダノンスマッシュ | 1 | 0(0) | 1 | 0 | 1,436 | ナムラドロン |
7 | ダノンプレミアム | 1 | 0(0) | 0 | 1 | 1,425 | ロードヴィゴラス |
8 | マテラスカイ | 0 | 0(0) | 0 | 0 | 1,206 | – |
以下は、2歳種牡馬リーディングの上位3頭です。
順位 | 種牡馬名 | 勝利数 | 重賞勝利(GⅠ) | 芝勝利 | ダート勝利 | 入着賞金 (万円) | 代表馬 |
1 | エピファネイア | 9 | 0(0) | 9 | 0 | 9,035 | ダノンヒストリー |
2 | キズナ | 4 | 0(0) | 4 | 0 | 5,280 | ドリームコア |
3 | モーリス | 6 | 0(0) | 6 | 0 | 5,255 | タイダルロック |
参考文献
「週刊Gallop 臨時増刊 丸ごとPOG 2025~2026」(サンケイスポーツ)