今シーズン(2024年~2025年シーズン)もPOGファンの方々が楽しんでいただけるよう、新馬戦・未勝利戦のレビュー記事を書いていきたいと思います。
ぜひこの記事をご覧いただき、これからの指名馬選びの参考にしたり、指名した馬たちの今後の活躍を見守ったりしていただければ幸いです。
今回は、8月第3週の新馬戦・未勝利戦をレビューしますが、レースぶりが目を引いた注目馬が3頭いましたので、紹介します。
競馬が好きすぎて獣医師免許まで取ってしまったKBと申します!競馬ファン歴28年。ナリタトップロードの大ファンです。レースの興奮と競馬の物語をお伝えします!(馬券は苦手です)
2024年8月第3週 2歳新馬・未勝利戦 全レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。
これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
では、注目の馬を紹介しましょう。
注目馬1 メリディアンスター(2歳牡馬)
注目馬の1頭目は、新種牡馬の中でもなかなか頑張っているモズアスコット産駒メリディアンスターです。
- メリディアンスターのプロフィール
- 父:モズアスコット
母:ニシノケイト(母父:ゴールドアリュール)
馬主:CHEVALATTACHE
生産者:前田ファーム
調教師:加藤征弘(美浦)
初勝利:R6.8.17 札幌 芝1,500m 2歳新馬 勝ちタイム1:28.8
評価:レース★★★★ 血統★★★
適性:芝・ダート1,400m~2,000m
モズアスコットの産駒は、このメリディアンスターで早くも4頭目の勝ち上がりとなります。モズアスコット自体は3歳時にようやく未勝利戦を勝ち上がって4歳から本格化した馬でしたが、産駒はなかなか仕上がりが早いようです。
レースでは、メリディアンスターは好スタートからすんなり先頭に立ち、直線ではムチを使うことなくあっさり4馬身突き放してしまいました。勝ちタイムもなかなかの好タイム。折り合いもよく、パドックでも非常に大人びて見えました。精神面でも仕上がりが早いようです。
モズアスコットと同じく、メリディアンスターもマイル適性が高いように思いますが、同じ牝系からは有馬記念2着馬のアメリカンボスも出ていますので、走りっぷりから見ても2,000mくらいまではこなせるのではないでしょうか。そして、母系は明らかにダート適性の高い血統構成、父もフェブラリーS勝ちがあるということを考えると、ダートでも活躍できる気がしています。
注目馬2 エコロジーク(2歳牡馬)
注目馬の2頭目は、今年2歳馬が次々に勝ち上がっている森秀行厩舎のエコロジークです。
- エコロジークのプロフィール
- 父:Twirling Candy
母:Lily Pod(母父:Bernstein)
馬主:原村正紀
生産者:Caldara Farm Inc. & William R. Hilliard Jr.
調教師:森秀行(栗東)
初勝利:R6.8.17 新潟 芝1,200m 2歳新馬 勝ちタイム1:08.9
評価:レース★★★★ 血統:★★★
適性:芝1,200m~1,600m
エコロジークが所属する森秀行厩舎は、今年の新潟の新馬戦だけで5勝目を挙げたことになります。しかも全て外国産馬。おそらく森調教師が自ら外国に行って見定めた馬たちだと思いますので、その相馬眼と調教技術には感服してしまいます。
エコロジークも、パドックを見ただけで素晴らしい馬だと分かりました。いわゆる胴詰まりの短距離体形なのですが、馬体、落ち着きともに1頭だけ大人びて見えるのです。そして、レースでも1頭だけ古馬が混じっているのかと思うほど、成熟した走りっぷり。楽々5馬身差で逃げ切ってしまいました。
父Twirling Candyは現役時代にダート1,400m~1,600mで活躍しましたが、産駒からはプリークネスS馬も出ています。母は芝マイル重賞2着という実績があり、エコロジークもやはりマイルまでの馬だと思います。果たしてダートではどうでしょうか。
注目馬3 サラコスティ(2歳牡馬)
注目馬の3頭目は、POGでも話題になっていた期待馬サラコスティです。
- サラコスティのプロフィール
- 父:エピファネイア
母:サロニカ(母父:ディープインパクト)
馬主:サンデーレーシング
生産者:ノーザンファーム
調教師:池添学(栗東)
初勝利:R6.8.18 中京 芝2,000m 2歳未勝利 勝ちタイム2:00.4
評価:レース★★★★ 血統:★★★★
適性:芝1,800m~3,000m
エピファネイア産駒の2歳牡馬と言えば、アーモンドアイの初仔アロンズロッド(デビュー未定)が最も注目を集めていますが、ノーザンファームでその身体能力を高く評価され、期待されていたのはサラコスティでした。同ファームの吉田代表も「仔馬のときからバランス、運動神経ともに良かった」と評価しており、調教厩舎でも「エピファネイア産駒で、こんなに柔らかい馬はこれまで乗ったことがない。相当走ると思う」と絶賛されるほど。
そんなサラコスティですが、デビュー戦で2着に敗れてしまいます。この馬を破ったのは、今年のキズナ産駒の1番馬と名高いエリキングです。そのデビュー戦は、以下の記事で詳しく書いています。
満を持して臨んだ今回の未勝利戦で、サラコスティは見事なパフォーマンスを見せます。単勝1.1倍という圧倒的1番人気を背負ったサラコスティは、スローペースで逃げると、直線ではムチを全く使わずに後続を9馬身も突き放して逃げ切り勝ちを収めたのです。これだけの着差がつくということは、瞬発力もなかなかのものを持っていると思います。
母サロニカは有馬記念2着のサラキアの全姉で、祖母はドイツオークス馬サロミナという超名門血統のサラコスティ。ズバリ、クラシックの中心で活躍してくれる馬になることでしょう。
まとめ
今回はレースぶりも血統面も期待の大きい3頭を注目馬として紹介しました。今回は牡馬ばかり紹介する形になりましたが、本当に今年の2歳牡馬はレベルが高いですね。
その他にも、ゴールドドリームの初年度産駒ジャナドリア、コンクシェルの半妹ラヴェンデル、GⅠ馬ノームコアの初仔シルバーレインなど血統的に期待が大きい馬が続々と勝ち上がっています。
これからもPOGファンの方に喜んでいただけるよう、このレビュー記事を書き続けていきたいと思います!そして、私自身も今シーズンのPOGを楽しむために、急いで指名馬を探しますよ。
以下のYouTube動画もぜひ参考にご覧になってください。
参考文献
週刊Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2024~2025(サンケイスポーツ)