
前回Vol.1に引き続き、1976年のプレイです。
ウィンドメテオあらため、ケービークルーズ(父シンザン)が所有馬となり、いよいよ馬主生活が始まりました。
すると、1月2週、管理する清水厩舎にケービークルーズの様子を見に行くことになりました。

清水先生によると、特に疲労や心配する点はなく、次走は2月のクイーンカップを予定しているとのこと。
うーん、次は桜花賞トライアルを使いたかったんだけど、このローテは変えられないのだとか。
本番までにもう1回トライアルを使うとなると、桜花賞は疲労が心配だ。短期放牧を挟むか・・・。
同世代の馬たちを見てみる

競走馬の検索ができるようになったので、ケービークルーズと同世代、3歳牝馬のオープン馬を確認します。

すると、15頭の馬(ケービークルーズを除く)がヒット。もちろん架空の馬もいますが、史実馬もいくつか見つかりました。

現在2位のレーティングを与えられているのが、史実馬のテイタニヤ。
- テイタニヤ(史実馬)
- 1976年の桜花賞とオークスを制した牝馬2冠馬。2冠達成直後に安田記念へ出走し、1番人気に推されるも古馬の壁に阻まれ10着惨敗。4歳(今の3歳)秋の第1回エリザベス女王杯では3冠が期待されたものの4着に敗れる。この年の有馬記念で5着と善戦し、古馬になってからの活躍が期待されたが、目立った活躍はできず1977年いっぱいで引退。引退後は繁殖牝馬となったが、これといった活躍馬を出せず。
これは、間違いなくケービークルーズにとっての最大のライバルになりそうです。前年の阪神ジュベナイルフィリーズは4着に敗れていますが、クラシックの主役候補はこれですね。
テイタニヤの父はアローエクスプレス。グレイソヴリン系のスピード馬ですね。1976年のリーディングサイアーは19位とそこまで目立っていませんが、実はこの世代がアローエクスプレスの初年度産駒。そして、その後は徐々にリーディング順位を上げて1981年にはリーディングサイアー1位を獲得します。
そして、テイタニヤの母父には前回も出てきたナスルーラ系のシプリアニ、母母父にヒンドスタンという「ザ・70’s」という感じの血統構成です。

続いて、レーティング1位の馬は、というと、なんと前回の所有馬選びで蹴ってしまったディアマンテでした。うーん・・・。
- ディアマンテ(史実馬)
- 1976年の第1回エリザベス女王杯を勝った馬。春のクラシックには無縁だったが、夏に力をつけて、900万下の条件戦勝利後にエリザベス女王杯へ挑戦。2冠馬テイタニヤを撃破した。古馬になってからも福島記念を勝つなど活躍。引退後は繫殖牝馬になったが、これといった活躍馬を出せず。
前回も書きましたが、これだけ活躍しながら子孫がまったく繁栄できずに、ディアマンテの血は1990年代には途絶えてしまっています。
父トピオは、名馬サッカーボーイの父であり、名馬ステイゴールドの母父であるディクタスと同じファイントップ系。系、とは言っても、ファイントップの実仔なんですけどね。トピオ自身は1967年の凱旋門賞馬ですが、その父ファイントップも、さらにその父Fine Artも短距離を中心に活躍した馬。ただ、さかのぼればゲインズボロー~ハンプトンにつながるステイヤー血統と言えます。トピオは1975年に死亡していますので、わずかに残された産駒の1頭がディアマンテです。
ディアマンテの母父はパーソロン。前回も出てきた名種牡馬ですが、ブルードメアサイアーとしても優秀だったのですね。

そして、最後の史実馬が、レーティング4位のスカッシュソロンです。
- スカッシュソロン(史実馬)
- 1977年の安田記念優勝馬。新馬勝ちから4連勝で臨んだ桜花賞では1番人気に推されるも7着惨敗。秋のエリザベス女王杯も5着に敗れ、5歳(今の4歳)になってからも勝てないレースが続いたが、2番人気に推された安田記念を3馬身半差で完勝。これを最後に引退し、繁殖牝馬となったがこれといった活躍馬は出せず。
スカッシュソロンの父もパーソロンです。凄いですね、パーソロンの勢いは。
母父のオーロイは、父オリオール、祖父ハイペリオンという名門ステイヤーの血統。活躍した産駒は天皇賞と有馬記念を勝ったカブトシローくらいで、日本ではその血が発展しませんでした。
母ウズシオの牝系は、のちのGⅠ馬バンブーメモリーや重賞勝ちのあるマイシンザンが出ているなかなかの血統です。
これらの他にも架空のオープン馬がいますが、どうやら史実馬3頭が大きなライバルとして立ちはだかりそうです。
ライバルたちは順調に勝利を重ねる


そんな中、ケービークルーズのライバルたちは順調に勝ち星を重ねます。
クラシックの大本命テイタニヤは牡馬相手にGⅢシンザン記念を勝利。そして、ディアマンテも同じ週のGⅢフェアリーステークスを勝ったのです。
ケービークルーズも負けてはいられません。クイーンカップに向けてしっかり調教を重ねていきます。
リーディングジョッキーの本命は?

この頃のトップジョッキーといえば、まず名前が挙がるのは関東の加賀武見騎手。デビューした1960年に新人最多の58勝を挙げ、1973年には史上3人目の1000勝を達成しています。
関東にはその他にも、1975年にカブラヤオーとテスコガビーで春のクラシックレースを全勝した菅原泰夫騎手や、1972年~1974年までオークスを3連覇した嶋田功騎手もいます。さらに、シンボリルドルフでのちに3冠を達成する岡部幸雄騎手がこの年に関東リーディングとなる活躍を見せました。
そして、関西の2人の天才、福永洋一騎手と武邦彦騎手。ご存じのとおり、調教師の福永祐一元騎手の父であり、今も現役の武豊騎手の父です。
さて、これらのトップジョッキーたちは私の馬に騎乗してくれるのでしょうか。
いよいよクイーンカップ本番へ

ついに、ケービークルーズの年明け初戦、クイーンカップへの出走が決まりました。
鞍上は、22歳とまだ若手の田島信行騎手。前年の1975年に2冠馬キタノカチドキで重賞初制覇を果たしている勢いのあるジョッキーです。よろしく頼むぞ!

・・・って、オイオイ(汗)いきなり、テイタニヤとディアマンテが同じレースに出てくるのかよ。やっぱり、ここは回避してチューリップ賞あたりに出たかったな。まあ、ゲームだから仕方ないですけどね。
ここで負けるようなら、桜花賞を勝つのはは難しいでしょう。というか、GⅠで史実馬に勝つのは至難の業、ほぼムリゲーですね。目標は、桜花賞の優先出走権を獲ることだけです。

いよいよクイーンカップが始まります。
清水先生も自信がありそう。田島騎手、頼むぞ!

・・・そうか、ケービークルーズは無印の12番人気。こんなもの?
一方、ディアマンテが単勝3.2倍の1番人気、テイタニヤは単勝7.5倍の3番人気です。
頑張って、ケービークルーズ!いざ、スタート!

スタートは良かったのですが、ゴチャゴチャっとして、いつの間にかケービークルーズは最後方まで下がってしまいました。
しかも、スローペース。・・・なんか厳しそうだなあ。

直線では内からテイタニヤが抜け出し、外からはディアマンテが追いこんできます。
ケービークルーズは、というと、前が壁になってなかなか馬群を抜け出すことができません。これはキツイ・・・。

結局レースは、1着テイタニヤ、2着ディアマンテ、史実馬2頭のワンツー決着でした。
ケービークルーズは直線でも伸びず、11着と惨敗。あーあ(悲)。

田島騎手によると、1,600mはケービークルーズにとって距離が短いよう。
うーん、桜花賞の優先出走権を獲らないといけないんだけど、大丈夫か?
一抹の不安を抱えたまま、次回へ続く。
参考文献
にちぶんMOOK「新装版 競馬歴史新聞」(競馬歴史新聞編纂委員会編、日本文芸社)
「最新名馬の血統 種牡馬系統のすべて」(山野浩一著、明文社)