今シーズン(2024年~2025年シーズン)もPOGファンの方々が楽しんでいただけるよう、新馬戦・未勝利戦のレビュー記事を書いていきたいと思います。
ぜひこの記事をご覧いただき、これからの指名馬選びの参考にしたり、指名した馬たちの今後の活躍を見守ったりしていただければ幸いです。
今回は、6月第2週の新馬戦をレビューしますが、レースぶりが目を引いた注目馬が3頭いましたので、紹介します。
競馬が好きすぎて獣医師免許まで取ってしまったKBと申します!競馬ファン歴28年。ナリタトップロードの大ファンです。レースの興奮と競馬の物語をお伝えします!(馬券は苦手です)
2024年6月第2週 2歳新馬・未勝利戦 全レースレビュー
私KBが独自に勝ち馬全頭を評価した結果はこちらです。
これらの画像は、私が独自に作成しているデータベース(Notion)から引用したものです。表の右から2列目がレースの評価、1列目が血統の評価になります。
- レースの評価基準
- ・タイム
・相手関係と着差
・レース全体のスムーズさ(成熟度)
・勝ち方のインパクト - 血統の評価基準
- ・父馬の産駒成績
・母馬の産駒成績
・血統の良さ(近親馬の成績、牝系の評価、良血とされる系統の数)
・バランス(インブリード、ニックス、欧州系・米国系・日本系のバランス)
★5つが満点で、星★の数が多ければ多いほど評価は高くなります(ウイニングポストのコースポ方式です)。
では、注目の馬を紹介しましょう。
注目馬1 コートアリシアン(2歳牝馬)
注目馬の1頭目は、なかなかインパクトのある勝ち方をしたコートアリシアンです。
- コートアリシアンのプロフィール
- 父 サートゥルナーリア
母 コートシャルマン(母父 ハーツクライ)
馬主 吉田照哉
生産者 社台ファーム
調教師 伊藤大士(美浦)
初勝利 R6.6.8 東京 芝1,600m 2歳新馬 勝ちタイム1:35.1
評価 レース★★★★ 血統★★★
今までの新馬戦の中で最も大きな着差で勝った馬。それが、コートアリシアンです。コートアリシアンが2着につけた差はなんど5馬身。この時期の新馬戦でこの着差で勝った馬というと、昨年のシュトラウスの新馬戦を思い出します。このあとの活躍を期待しないわけにはいきません。
コートアリシアンは、今年の新種牡馬の中で最も期待されているサートゥルナーリアの産駒。兄弟に活躍馬はいませんが、母の半兄に安田記念を勝ったストロングリターン(父シンボリクリスエス)がいる血統です。母も短距離が得意な馬でしたので、コートアリシアンもどちらかといえばスピードタイプの馬かもしれません。
レースの勝ちタイムはそこまで速くありませんが、姿勢が低くてスピード感のある走りを見ると、かなりバネのある馬だと思います。さらに心肺能力が高ければ、長い距離までこなせかもしれませんが、まだそこは未知数。アルテミスステークスあたりで強い勝ち方ができれば、今年のチェルヴィニアのような活躍もありうるでしょう。
注目馬2 エメラヴィ(2歳牝馬)
注目馬の2頭目は、人気薄ながら驚きのパフォーマンスを見せたエメラヴィです。
- エメラヴィのプロフィール
- 父 オルフェーヴル
母 ショウナンワヒネ(母父 シンボリクリスエス)
馬主 桑田牧場
生産者 桑田牧場
調教師 松永幹夫(栗東)
初勝利 R6.6.9 函館 芝1,200m 2歳新馬 勝ちタイム1:09.7
評価 レース★★★★ 血統★★★
父オルフェーブル、母父シンボリクリスエス。誰が、この馬のスプリントレースで弾ける姿を想像できたでしょうか。それは、8番人気というこの馬の評価にも表れています。しかし、エメラヴィは驚くようなスピードを見せつけて1,200mのデビュー戦を勝ったのです。
小雨が降る中、ペースはミドルペース。エメラヴィは3番手の位置につけてレースを進め、最後の直線では弾けるような末脚で2馬身半突き抜けました。発表上は良馬場でしたが、時計がかかる馬場でなかなかの勝ちタイムです。
母も兄弟も短距離で活躍している馬たちが多いので、エメラヴィのスピードは母系から受け継いでいるようですが、父がオルフェーヴルということで今後どのような馬になるのか楽しみではあります。まずは、函館2歳ステークスやクローバー賞あたりでこの馬のスピードが本物かどうか確かめたいですね。
注目馬3 クロワデュノール
注目馬の3頭目は、早くも「クラシック候補の本命現る」というインパクトを見せたクロワデュノールです。
- クロワデュノールのプロフィール
- 父 キタサンブラック
母 ライジングクロス(母父 Cape Cross)
馬主 サンデーレーシング
生産者 ノーザンファーム
調教師 斉藤崇史(栗東)
初勝利 R6.6.9 東京 芝1,800m 2歳新馬 勝ちタイム1:46.7
評価 レース★★★★★ 血統★★★★
私はPOGの経験があまりありませんが、昨シーズン1年とおして2歳馬、3歳馬をウォッチングしてきた結果、「名馬は思わぬところからやってくる」ということを実感しました。そう、いくらPOG本やネットで話題になっても、実際は活躍できない馬が多いということ、逆に、話題にのぼっていなかった馬がポッと現れて、あれよあれよという間に大きなレースを勝ってしまうということを。
クロワデュノールも、正直にいってPOG界わいではあまり話題になっていなかったと思います。同じキタサンブラック産駒なら、セレクトセールで3億円以上の値がついたダノンシーマのほうが注目されていましたし、今回の同じ新馬戦に出走したアルレッキーノ(チェルヴィニアの半弟)も注目を集めていました。しかし、クロワデュノールはそのアルレッキーノに歴然とした力の差を見せつけてデビュー戦を完勝したのです。
アルレッキーノも、戦前の評判どおり強いレースを見せました。実際、3着には4馬身もの差をつけています。それ以上に、クロワデュノールの能力が高かったということです。勝ちタイムも優秀で、上がり3Fもメンバー最速の33秒8。迫力のある馬体に、伸びやかなフォームは、まさに名馬の姿そのものに見えました。
母父Cape Crossというと、昨年欧州でマイルGⅠを勝ちまくったタヒーラや今年の高松宮記念で3着に入った香港のビクターザウィナーがいますが、クロワデュノールは決してマイラーやスプリンターではないでしょう。母は英・愛の両オークスで2着に入っていますし、半姉にはオークス4着のアースライズがいます。ずばり、クラシックのど真ん中で活躍してくれる馬だと確信しています。
まとめ
今回はレースぶりも血統面も期待の大きい3頭を注目馬として紹介しました。
今週は、正直にいって、クロワデュノールの新馬戦が強烈過ぎて他の馬たちがかすんでしまう形になりましたが、この時期に勝ち上がる馬たちですから、どの馬もPOGで活躍する可能性はあるでしょう。それに、新馬戦でどれだけ強い勝ち方をしても、昨年のシュトラウスのようにパタッと勢いを失ってしまう場合もあります。
とはいえ、クロワデュノールはスーパーホースの匂いがする馬だということを最後に付け加えておきます。
これからもPOGファンの方に喜んでいただけるよう、このレビュー記事を書き続けていきたいと思います!そして、私自身も今シーズンのPOGを楽しむために、急いで指名馬を探しますよ。
以下のYouTube動画もぜひ参考にご覧になってください。
参考文献
週刊Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2024~2025(サンケイスポーツ)