昨日は福島牝馬ステークスの展望に関する記事を投稿したのですが、そこでピックアップしたシンリョクカとライトクオンタムが落馬してしまい、落ち込んでいるKBです。
仕方がないとはいえ、本当にできる限り事故は起こらないでほしいですね。
さて、気を取り直して今回はGⅡサンケイスポーツ賞フローラステークスのレース展望をしてみたいと思います。
1着馬と2着馬にGⅠオークスの優先出走権が与えられるこのレース。果たして、どの馬がクラシックへの切符を勝ち取るのでしょうか?
最後に、ちょっとだけ同日開催されるマイラーズカップの展望もお伝えします。
サンケイスポーツ賞フローラステークス2024 概要
まず、レースの概要をご覧ください。
- サンケイスポーツ賞フローラステークス2024 概要
- 開催日時 R6.4.21(日)15:45発走
コース 東京競馬場(左回り)11R 芝2,000m
条件 3歳オープン GⅡ 馬齢 牝馬限定
馬場状態 良(予想)
出走頭数 14頭(全て牝馬)
その他 1着馬と2着馬はGⅠオークスの優先出走権を獲得
コースですが、本番のオークス(芝2,400m)は正面スタンド前をスタートしますが、今回の芝2,000mは第1コーナー奥のポケットからスタートします。スタート後、コーナーを3つ回って最後の直線は525.9m。長い直線には途中まで登り坂があり、追い込み馬には瞬発力だけでなく持久力とパワーも要求されます。
そして、左回りという点もこのコースの特徴で、得意な馬、不得意な馬の差が出るかもしれません。
続いて、出走馬14頭の一覧をご覧ください。
牝馬限定戦ですので出走全頭が牝馬です。馬齢重量により全馬に55kgという斤量が課されます。
年齢、所属、種牡馬、脚質別、前走クラス別の出走頭数は以下のとおりとなっています。
- 年齢別 【3歳】14頭
- 所属別 【関東馬】11頭 【関西馬】3頭
- 種牡馬別 【リアルスティール】2頭 【ドゥラメンテ】2頭 【その他】10頭
- 脚質別 【逃げ】1頭 【先行】5頭 【差し】8頭
- 前走クラス別 【重賞】5頭 【オープン】1頭 【1勝】4頭 【未勝利】4頭
フローラステークス2024 レース展望
4月21日(日)早朝の時点で、1番人気は1番バロネッサ(牝3)、2番人気は8番アドマイヤベル(牝3)、3番人気は14番クリスマスパレード(牝3)となっています。
フローラステークスは、過去10年で1番人気が1勝2着2回と苦戦気味。2017年には単勝12番人気のモズカッチャンが優勝、2023年には7番人気のゴールデンハインドが優勝していますので1、下位人気の馬も上位進出を狙えそうです。
レース展開
スタート後はしばらく直線を進みますが、すぐに向正面につながる急カーブへ差し掛かるため、外枠の馬はこのカーブまでにできるだけ内へ寄りたいところです。特に、外枠の逃げ馬や先行馬はスタートから一気に加速して先団につけて来るはずです。ですので、11番ユキワリザクラや14番クリスマスパレードあたりは積極的に前のポジションを取りに来るでしょう。
一方、1番バロネッサや4番エルフストラックもある程度前目のポジションを取りたいはずですので、内枠を生かして先行争いに加わるでしょう。このあたりの先行争いも見ごたえがありそうです。
向正面は比較的長い直線を走りますので、ここではある程度余裕をもって各馬がポジションを取ることができます。また、ペースも少しは落ちつくでしょう。有力馬の8番アドマイヤベルは中団の外目の位置で競馬を進めることになると思います。
3コーナー~4コーナーの中間は比較的長い緩やかなカーブですので、ここでの大きな動きはないと思いますが、前の有力馬の手ごたえやペースによっては早めに仕掛けてくる追い込み馬もいるかもしれません。
最後の直線に入ると、坂を上り切るまで(残り300mくらいまで)は一進一退の攻防が予想されます。残り200mくらいでスタミナが切れた先行馬は脱落し、後方から脚を伸ばす追い込み馬が前で粘る馬を捉えにかかります。
上位の馬の実力は拮抗しており、極端なペースにならない限り、ゴール前は接戦になると予想します。
人気上位馬の中ではPOG指名馬アドマイヤベルが強いはず
フローラステークスの私の本命馬は随分前からアドマイヤベルに決まっていました。なぜなら、私が個人的にPOGで指名している馬だからです。以下が参考の過去記事です。
ただ、POG指名馬かどうかは別として、アドマイヤベルの実力は人気上位馬の中でもトップだと思っています。
アドマイヤベルについて語る前に、まずデータを見てみましょう。
過去10年のフローラステークスの勝ち馬を見ると、前走が1勝クラスだった馬が6頭(60%)も勝っています。ちなみに、残りの勝ち馬4頭は、前走が重賞だった馬が3頭(フェアリーステークス1頭、フラワーカップ2頭)、オープン特別だった馬が1頭(アネモネステークス1頭)となっていて、前走が未勝利戦だった馬はここ10年勝てていないということになります。
このデータだけでいえば、前走未勝利戦1着だった1番人気のバロネッサの優勝は厳しいように思えます。
前走が1勝クラスだったアドマイヤベルとクリスマスパレードですが、かたやアドマイヤベルは2着、かたやクリスマスパレードは1着という事実だけ見れば、クリスマスパレードのほうが有利と言えるかもしれません。確かに、前走1勝クラスでフローラステークスを勝った6頭のうち5頭はその1勝クラスで優勝しています。
逆に言えば、前走1勝クラスで敗れたいたとしても、その内容によってはフローラステークスを勝つことができるということです。
アドマイヤベルは、全3走でいずれも33秒台の強烈な末脚を披露しています。そして、敗れた相手は牡馬一線級のアーバンシックとマーシャルポイント。さらに、前走のフリージア賞に関して言えばほぼ勝ちに等しい2着です。
アドマイヤベルのアドバンテージは、やはり前走でフローラステークスと同じ東京の芝2,000mを経験していることです。舞台適性は証明済み。あとは、牝馬同士でその能力の高さを発揮すれば、おのずとオークスへの道が開けるでしょう。
筆者の注目馬 カニキュル
前述のとおり、データ上は前走1勝クラスを使っている馬が有利となっています。
さらに過去10年のフローラステークスの複勝率(1着~3着に入る割合)を見ると、前走がGⅢだった馬が27.9%で、前走がGⅠだった馬(33.3%)に次いで好成績を挙げています。ちなみに、前走が1勝クラスだった馬の複勝率は16.9%で、未勝利戦だった馬の複勝率は11.8%となっています。
この「前走がGⅢだった馬」の内訳を見ると、フローラステークスで3着以内に入った馬12頭のうち実に8頭(66.7%)が前走フラワーカップの馬でした。
この点も踏まえ、私は前走フラワーカップで勝ち馬と0.3秒差という接戦を演じた13番カニキュルに注目しました。
カニキュルにとって、フラワーカップは昨年11月の未勝利戦以来の久々のレースでしたが、最後はしっかり末脚を伸ばして、わずかに前に届かずも6着と健闘しました。ここで一叩きした今回のフローラステークスでは万全の状態で出走できるでしょう。
そして、カニキュルもアドマイヤベルと同じく、東京の芝2,000mでの実績(未勝利戦1着)があります。正直、末脚勝負ではアドマイヤベルのほうが1枚上手だと思いますが、この馬も3着以内に入る実力は十分にあると思います。
「穴」どれない馬 エルフストラック
今回の「穴」どれない(侮れない)馬は、前走のフラワーカップでカニキュルに先着した4番エルフストラックです。
エルフストラックはフラワーカップで逃げ粘って5着と好走したのですが、同レース6着のカニキュルよりも人気が低くなっています(レース前日の最終オッズ)。
前走フラワーカップ組の優位性については前述のとおりです。同じくフラワーカップ組の10番マルコタージュよりもエルフストラックを推す理由は、実力的にも舞台適性的にもこの馬のほうが勝っていると考えたからです。単純に順位的にもエルフストラックのほうが上ですし(マルコタージュは8着)、エルフストラックには芝2,000mでの実績(未勝利戦1着、若駒S4着)があります。
問題はレース展開とこの馬の戦法。前走は逃げていい粘りを見せましたが、直線の長い東京競馬場で逃げ粘るのはなかなか難しいことです。極端なハイペースにならなければ、前走のような粘りをきっと見せてくれるでしょう。
読売マイラーズカップ2024 レース展望
フローラステークスと同じく4月21日(日)に開催されるGⅡ読売マイラーズカップについて、簡単に概要とレース展望をお伝えします。
- 読売マイラーズカップ2024 概要
- 開催日時 R6.4.21(日)15:35発走
コース 京都競馬場(右回り) 11R 芝1,600m 外回り
条件 4歳以上オープン GⅡ 別定
馬場状態 良~稍重(予想) ※雨予報あり
出走頭数 17頭(牡馬16頭、セン馬1頭)
その他 1着馬はGⅠ安田記念の優先出走権を獲得
出走馬17頭の一覧はこちらです。
4月21日(日)早朝の時点で、1番人気は14番ソウルラッシュ(牡6)、2番人気は3番セリフォス(牡5)、3番人気は8番トランキリテ(牡5)となっています。
マイラーズカップはデータ的には荒れにくいようですが、今回も固い決着となるのでしょうか?
私は、14番ソウルラッシュで固いと考えています。GⅠ制覇はありませんが、昨年の秋以降の充実ぶりはこの馬の素質と成長力を感じるものでした。昨年のマイルチャンピオンシップは惜しくも2着に敗れましたが、今年はきっとやってくれるでしょう。昨年の同じレースで2着に入っていることもプラス材料です。松山騎手の負傷により急遽乗り替わりとなった団野騎手がどんなレースを見せてくれるでしょうか?京都地方は午後に雨が降るようですので、馬場が渋ればさらにこの馬には追い風になります。
出走馬中唯一のGⅠホースである3番セリフォスにも頑張ってほしいところですが、京都競馬場との相性やこの馬の成長力という点で心配があります。あと、GⅠ馬ということもあり、他の馬よりも1kg重い58kgの斤量を背負うのも不利な点です。昨年の安田記念のような馬群を割る勝負根性をぜひ見せてほしいですね。
その他の馬たちは正直この2頭との実力差が大きいと思っていますが、人気があまりない10番コレペティトールあたりは面白い存在だと思います。今年、同じコースのGⅢ京都金杯を勝っていますので、ここでも十分にいいレースができるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人的にぜひアドマイヤベルにフローラステークスを勝ってほしいのですが、最低でもオークスの優先出走権を取ってくれれば満足です。アドマイヤベルはオークスを勝てる器だと思っていますので。
ということで、最後に私のフローラステークス2024の厳選5頭をお伝えしてこの記事を締めたいと思います。
フローラステークス2024 厳選5頭
S評価 8番アドマイヤベル 14番クリスマスパレード
A評価 13番カニキュル 6番トロピカルティー
穴評価 4番エルフストラック
※執筆時点(R6.4.20早朝)の筆者による個人的な評価です。競馬予想を保証するものではありません。
- 1 JRAホームページ サンケイスポーツ賞フローラステークス・データ分析https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2024/0421_1/index.html ↩︎