フェブラリーステークスも終わり、いよいよ春のGⅠ戦線が始まりましたが、先週は春の中距離戦線を占う一戦、中山記念が開催されました。
新旧の皐月賞馬や勢いのある4歳馬など、なかなかのメンバーがそろいました。
そして、レースは先週に続いて大波乱の結果に。
今回は、1番人気を背負いながら4着に敗れてしまった皐月賞馬ソールオリエンスを取り上げます。
レース展開
やはり7番ドーブネが逃げる形になりましたが、14番エエヤンが競りかけていく形になり、ペースが速くなる要因になりました。
8番マテンロウスカイと4番ジオグリフはドーブネたちを追いかけるように好位のポジションを取り、1番人気のソールオリエンスはいつものように後方から競馬を進めることになります。
前の馬たちがハイペースで飛ばす中、雨で荒れた馬場に足をとられたり、ダッシュがつかなかった馬たちはこれらに付いて行けず、1~2コーナー中間ですでに隊列が縦長の状態になりました。
向正面ではさらに隊列が縦長になり、結果論ですが、この段階で後方に取り残されてしまった馬たちはこの時点で勝ち目がなくなったということでしょう。
言い換えると、荒れた馬場とハイペースに対応できた馬(1~3着の馬)がいいポジションをとって、いい成績を収めたということです。
3コーナーもほぼ同じ隊列で各馬が通過していきます。
ここで、前半1,000mが58秒6と計測。馬場状態から考えるとかなりのハイペースですが、7番ドーブネは気持ちよく逃げていました。
8番マテンロウスカイと4番ジオグリフは好位の内側で前に進出するタイミングをジッとうかがっていました。
4コーナーをカーブする頃には、ペースを考えると前の馬がバテ始めるはずなのですが、思いのほか脚色が鈍らず、後ろの馬たちも前との差が詰められないでいました。
そんな中、2番手にいた14番エエヤンは少し勢いがなくなり、これを見逃さなかった4番ジオグリフがエエヤンの内側から7番ドーブネをとらえようとします。8番マテンロウスカイは絶好の手ごたえで、まだ仕掛けのタイミングを見計らっていました。
直線に向くと、7番ドーブネが懸命に逃げ、後続馬たちがこれを追いかけます。2番手に上がってきた8番マテンロウスカイはいつでもドーブネを交わせる態勢。この時点で「勝負あった」ということでしょう。
いい位置にいたと思った9番エルトンバローズは、荒れた馬場に苦戦して直線でも伸びませんでした。
3番ソールオリエンスは、皐月賞のように大外から追い込む形になりましたが、皐月賞の時とは相手も展開も馬場も違ったのです。
残り150mで満を持して8番マテンロウスカイが7番ドーブネを交わして先頭に立ち、そのまま2馬身突き放して1着でゴール。
ドーブネも4番ジオグリフの追撃を振り切って2着に。復活の兆しを見せたジオグリフが3着に入りました。
3番ソールオリエンスはメンバー最速の上がり(3F36秒4)で追い込んできましたが、4着まで。またも勝利を収めることはできませんでした。
2番人気の9番エルトンバローズは7着、3番人気の5番ヒシイグアスは11着と惨敗し、3連単が542,050円という大波乱の結果になりました。
レース映像はこちらをご覧ください。
ソールオリエンスにはイクイノックスやキタサンブラックの走りを目指してほしい
またも人気を裏切ってしまった皐月賞馬のソールオリエンス。
なんかソールオリエンスが不憫でならないので、復活プロジェクトを勝手に考えてみました(本当はタスティエーラ推しなんですが、そこは内緒です)。
- ソールオリエンス復活プロジェクト
- ・横山武史騎手とのコンビ復活
・先行策への脚質転換
ソールオリエンス復活プロジェクトの1つ目は、横山武史騎手とのコンビ復活です。
皐月賞は勝ちましたが、ダービー2着、セントライト記念2着、菊花賞3着と勝利から見放されたことで、有馬記念は川田将雅騎手に乗り替わりとなりました。勝負の世界ですので、この結果は致し方ないと思います。
ですが、私はやはり馬と騎手の相性というものは存在すると信じています。そして、ソールオリエンスには横山武史騎手がピッタリだと思うのです。
皐月賞のジョッキーカメラを見てわかったのですが、レース後に興奮した横山武史騎手が「すげえよ、こいつ!」とソールオリエンスを称賛していました。これを見て私は「いいコンビだな」と心から思いました。この騎手の想いは、馬に伝わっているのではないでしょうか?
そして、プロジェクトのもう1つは、これは本気で思っているのですが、先行策への脚質転換です。
皐月賞の末脚があまりにも強烈だったので、ソールオリエンスは後方からの競馬が得意なんだと思い込んでいましたが、それにしては取りこぼしが多すぎると思うのです。並の馬ならわかるのですが、皐月賞を勝ち、ダービーでも2着に入った馬ですよ?
私が最近のソールオリエンスのレースを見て思ったのは、「この馬はエンジンのかかりが遅い馬なのではないか?」ということです。それはズブい(反応が悪い)というよりも、本気になるのが遅いという意味です。
ソールオリエンスはもともとスタートダッシュがよくない馬なのですが、そこは頑張ってダッシュをして好位につけることで、馬のエンジンも早めにかけることができるし、末脚は間違いない馬なので、直線でチョイっと前を交わしてあとは後続を一気に突き放すというレースをすればいいのだと。
分かりやすく言えば、同じキタサンブラック産駒のイクイノックスのような走りをすればいいと思うのです。例えば、昨年のジャパンカップ(以下のYouTube動画参照)のような。
ちなみに、管理する手塚調教師によるとソールオリエンスの次走はGⅠ大阪杯になるようです。
大阪杯といえば、まさに父キタサンブラックが勝ったレース。親子2代でのレース制覇がかかります。
そう、キタサンブラックのようなレース(以下のYouTube動画参照)をすればいいんですよ。
ぜひ父キタサンブラックのためにも、ソールオリエンスには大阪杯を勝ってほしいなと思います。