先週のエリザベス女王杯は、またまたルメール騎手のブレイディヴェーグが勝ちました。
ルメール騎手は菊花賞のドゥレッツァ、天皇賞(秋)のイクイノックスに続いてGⅠ3連勝ですが、本当に「GⅠは黙ってルメール騎手を買っておけ」状態になってきてますね。お見事です。
さて、そのエリザベス女王杯ですが、私が注目してしいた「負けすぎ馬」たちはどうだったかというと・・・こちらのレース映像です。
結果は・・・
5着 ジェラルディーナ(2番人気、ムーア騎手)
8着 イズジョーノキセキ(13番人気、岩田康騎手)
15着 マリアエレーナ(7番人気、三浦騎手)
ジェラルディーナは直線で外から追い込みましたが届かず5着。馬群を割って追い込んだイズジョーノキセキは8着と頑張りましたが、マリアエレーナはなんとシンガリ負け。
結果的に注目した3頭はいずれも馬券内(1〜3着)に入ることができませんでした。連敗記録が続くことになります。
レース展開
では、また私の手書きの絵でレースを振り返ります。
まず大きな出来事は7番ジェラルディーナの出遅れ。ある意味「想定内」のことかもしれませんが、このレースのキーポイントになったのは間違いありません。
先行争いは、外から9番アートハウスが一気に行き脚がついて先頭に立ち、これに続いて内の4番ローゼライトと3番ハーパーが前のポジションを取りに行きます。
勝った1番ブレイディヴェーグは前走と違って好スタート。スッとハーパーの後ろあたりのインに収まって折り合いました。
出遅れた7番ジェラルディーナはスタンド前の直線でスーッと中団まで位置を上げました。
結局、9番アートハウスが逃げる形になり、1番ブレイディヴェーグは6番手の好位で競馬を進めます。14番マリアエレーナは思ったよりも前に行けず、3番ハーパーよりも後ろの5番手の位置になりした。5番イズジョーノキセキは1コーナーあたりで最後方です。
向正面のバックストレッチに入っても隊列はほとんど変わりませんが、9番アートハウスと4番ローゼライトが少し後ろを離し始めました。
6番ディヴィーナは逃げて勝った前走と違って、いつもどおりの後方待機策をとっていましたが、デムーロ騎手がずっと手綱を引っ張っていて少しかかり気味のようです。
外回りコースに入り、3~4コーナーの下り坂にかかったところで外の7番ジェラルディーナと6番ディヴィーナがいい感じでまくっていきました。内で折り合っていた1番ブレイディヴェーグや2番ルージュエヴァイユはまだジッとしています。
4番ローゼライトの手ごたえが怪しくなり、9番アートハウスが一気に加速して逃げ込み態勢に入りました。
直線入口で9番アートハウスが後続を突き放して単独先頭に立ち、3番手の好位にいた3番ハーパーが外目に出してこれを捕まえにいきます。同じく好位にいた12番ゴールドエクリプスと14番マリアエレーナはバテたようで、ズルズルと後方に下がっていきました。
7番ジェラルディーナと6番ディヴィーナはいい感じで4コーナーを回ってきましたが、いまいち伸びそうな雰囲気がありません。
代わりに、内で脚を溜めていた1番ブレイディヴェーグと2番ルージュエヴァイユがいい脚で追い込んできました。
9番アートハウスが粘る中、残り200mで1番ブレイディヴェーグがこれに並びかけ、続いて2番ルージュエヴァイユ、3番ハーパーが襲いかかります。
7番ジェラルディーナも外から追いかけますが、前の馬よりも脚色が良くありません。代わりに、大外から13番サリエラ、馬群を割って11番ライラック、5番イズジョーノキセキが追いこんできました。
残り100mでブレイディヴェーグが先頭に立ってそのままゴール。続いてルージュエヴァイユ、ハーパーと入線し、ジェラルディーナはライラックに交わされて5着。
マリアエレーナはジョッキーが走りを止めるようにして最下位でゴール。その後に下馬したようです。脚は大丈夫だったのでしょうか・・・。
ブレイディヴェーグの将来性
なんと3歳の重賞未勝利馬が古馬相手に勝ってしまうという過去に類を見ないレースとなりましたが、果たして勝ったブレイディヴェーグはどれほどの強さや将来性があるのでしょうか。
ブレイディヴェーグはローズステークスで2着に入ったあと、普通は秋華賞に向かうところですが、そこをスキップしてここへ出走しました。これは、オーナーが同じであるリバティアイランドへの配慮があったと言われています。つまり、陣営としてはリバティアイランドを脅かす能力があると評価していたわけです。もしかしたら3冠を阻んでしまうかもしれない、と。
そこまで聞けば、重賞未勝利馬が1番人気で1着に入ったことも納得できますが、正直にいってエリ女のレースを見るまでは「そんなにいい馬か?」と思うくらい特別な雰囲気や見た目がない馬でした。
しかし、競馬中継を見ていると元ジョッキーの細江さんやゲストの蛍原さん(ほとちゃん)がこぞって「いい馬」だとパドックを見てコメントしていました。見る人が見れば「名馬のオーラ」のようなものが出ていたということでしょうか。
是非リバティアイランドとの対戦を見てみたいところですが、個人的には現状でリバティに勝てる牝馬は世界を見てもなかなかいないと思っています。ロードカナロア産駒ということで、どこまでリバティに近づけるか成長を楽しみにしたいですね。
負けすぎ馬たちは・・・
注目していた3頭の負けすぎ馬たちですが、また敗戦記録が続いてしまいました。しかし、3頭ともそれぞれに敗因や見せ場はあったと思っています。
5着 ジェラルディーナ
出遅れが痛いですね。これさえなければ勝ち負けできたはずです。正直、出遅れた瞬間に「あ、これはダメだ」と思いましたが、それでも5着には追い込んだのはこの馬の実力だと思います。
前走オールカマーもそうでしたが、パドックでかなり入れ込んでいました。もう少し入れ込みが抑えられれば変なスタミナをロスせずにいいレースができるはずです。
次走は有馬記念でしょうか?昨年は3着に入りましたので、その時の走りをもう一度見せてほしいですね。
8着 イズジョーノキセキ
よく追い込みましたね。良馬場ではありましたが、前日の雨の影響でかなり芝が痛んでいましたので、この馬にとっては得意ではない馬場状態だったと思います。
昨年は10着でしたし、今回は勝ったブレイディヴェーグとおなじ上がりタイム(3F34秒4)で追い込んでいますので、13番人気という低評価の割にはいいレースぶりでした。
GⅠは厳しいかもしれませんが、重賞でまだまだ活躍できるのではないでしょうか。そろそろ引退かもしれませんが。
15着 マリアエレーナ
まず、馬体重が前走から10kg増えていて、パドックでも太目に見えました。
そして、競走中に歩様が乱れたということで三浦騎手が最後の直線で走りを止めてしまう事態も発生しました。
「調整の失敗か?」と思ってしまいますが、まずは馬の健康回復を祈りたいと思います。
前走オールカマーでの走りがよかっただけに、残念なレースになってしまいました。
まとめ
3歳馬が1着と3着に入り、この世代の強さが示された今年のエリザベス女王杯でした。
ということは・・・やっぱりリバティアイランドは相当強いんじゃないかと思ってしまいます。果たしてジャパンカップでイクイノックスに勝つことはできるのでしょうか?
来年のヴィクトリアマイルは現3歳世代が主役になることは間違いないですね。「ハーパーにGⅠを獲らせてあげたい」そんな声がたくさん聞こえてくるような気がします。こういう馬はファンに人気がでるでしょうね。私は・・・マスクトディーヴァを応援します。