![【レース展望】2023新潟記念&ちょっとだけ札幌2歳ステークス【サマー2000最終戦】](https://toproadoor.net/wp-content/uploads/2023/09/新潟記念レース展望.001-1.jpeg)
夏競馬もいよいよ終わりが近づいていますが、今週はサマー2000シリーズの最終戦、GⅢ新潟記念が開催されます。
過去にはGⅠ馬ブラストワンピース(当時3歳)を輩出しているレースで、秋のクラシックを狙う3歳馬の出走も珍しくないレースです。今年も注目の3歳馬をはじめ、なかなかの素質馬がメンバーに名を連ねています。
今回は新潟記念のレース展望をしてみたいと思います。最後にちょっとだけ、同じ週に開催されるGⅢ札幌2歳ステークスのレース展望もします。
2023新潟記念 レース展望
開催日 R5.9.3(日) 15:45発走
コース 新潟競馬場 芝2,000m 外回りコース 左回り
条件 3歳以上オープン ハンデ戦 GⅢ
その他 サマー2000シリーズ※最終戦
<サマー2000シリーズ2023>
レース名 | 開催コース | 優勝馬 | |
第1戦 | GⅢ七夕賞 | 福島芝2,000m | セイウンハーデス |
第2戦 | GⅢ函館記念 | 函館芝2,000m | ローシャムパーク |
第3戦 | GⅢ小倉記念 | 小倉芝2,000m | エヒト |
第4戦 | GⅡ札幌記念 | 札幌芝2,000m | プログノーシス |
最終戦 | GⅢ新潟記念 | 新潟芝2,000m | (今回) |
新潟競馬場の外回りコースは、最後の直線が658.7mもあります(日本最長)。また、スタート後は向正面の直線コースを1,000mほど走ることになり、無理にペースを上げなくても比較的余裕を持って位置取りを決めることができます。さらに、3コーナーにかけて緩やかに上り、4コーナーにかけては緩やかに下っていくことになるため、前半1,000mよりも後半1,000mのほうがペースアップしやすい条件となっています。
つまり、長くて切れる末脚(スピードと持久力)が使える馬がこのレースでは有利と言えるでしょう。
そして、新潟記念はハンデ戦です。本来は切れる脚が使える馬であっても、斤量のせいでジワジワとスタミナを使ってしまって最後に脚が残っていない、なんていうことも起こり得るレースです。
この時期の新潟競馬場はコースの内側が荒れてしまっていることがあるのですが、色々な情報を総合すると、今シーズンはそこまで芝が傷んでいないようです。もちろん、外側を走るほうが有利だとは思いますが、先行馬が内側で粘る展開もあり得るかもしれません。
出走馬一覧
こちらが今回の新潟記念の出走馬一覧です。
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9月2日(土)朝の時点で、一番人気はGⅠ馬サリオスを兄に持つ素質馬サリエラ、二番人気は今年のダービー5着の3歳馬ノッキングポイント、三番人気は今年の宝塚記念で好走したプラダリアとなっています。
レース展開
出走馬の中に何がなんでも逃げたいという馬はいなさそうですが、おそらくバラジが押し出されるように先頭に立つでしょう。他馬は長い向正面の直線をゆっくり走りながら、馬の行く気に合わせて位置取りを決めていくことになりそうです。
人気のサリエラ、ノッキングポイント、プラダリアは末脚にかけてくると思いますので道中は後方待機となりそうですが、内枠スタートのサリエラとノッキングポイントは、内側の少し傷んだ馬場を嫌って内に閉じ込められないような位置まで馬を下げてくるかもしれません。外枠スタートのプラダリアは馬場の良い外外を回って直線に出てくるでしょう。
各馬一団で4コーナーに向かってペースアップし、最後の直線に向いた時点(残り600m地点)で馬群は内と外に大きくバラけているでしょう。こうなると、馬群に包まれて抜け出せないということはなく、鋭く末脚を伸ばす馬が徐々に位置を上げて、逆に脚が残っていない馬はズルズル遅れを取っていくことになります。
最後の直線で「ヨーイドン」という展開になりそうですが、問題は馬場の内と外でどのくらい末脚に差が出るかという点で、距離のロスと馬場の良し悪しをジョッキーがどう判断するかが見ものです。
有力馬3頭
このレースは、人気どおり上位3頭が強いと思います。その中でも筆者は、今年の3歳勢の強さに注目し、ダービー5着のノッキングポイントが1番手と見ています。
ノッキングポイントは3歳馬ということもあってハンデ54kgで出走できるのは大きく、ダービーでも後方から粘り強く伸びて勝ち馬タスティエーラと0.2秒差の5着に入ったのは実力の証です。
また、先々週の札幌記念で3歳馬のトップナイフ(ダービー14着)が2着に入り、ダノンベルーガやジャックドールといった強豪の古馬相手に先着したことからも、今年の3歳勢はかなりレベルが高い可能性があります。
ノッキングポイントについての木村調教師のコメントはこちらです。
(調教では)想定通りの動きをしてくれて順調に来ているなと思っている。(夏を越して)どっしり調教場に向かえるあたりは少しづつだが青年になってきたなと頼もしくみている。距離もだいたいこのくらいが良いのではないかと思っている。
木村哲也調教師(YouTube JRA公式チャンネルより)
そして、2番手としては古馬の中でも着実に力をつけてきているプラダリアを挙げます。
プラダリアは今年に入って勝ちきれないレースが続いていますが、ドウドュースやヴェルトライゼンデらを相手に力走していました。
そして、何といってもこの馬の成長を確信したのは前走の宝塚記念です。6着には敗れましたが、あのイクイノックスに0.4秒差まで迫る末脚でブービー人気を大きく覆す好走を見せました。この実力と実績は、出走馬の中でも1番といって良いでしょう。あとはハンデ57kgとの戦いです。これを勝ちきれば、この馬の実力は本物と言えます。
最後に3番手として挙げるサリエラですが、血統的な魅力と今後の成長への期待度は上位3頭の中でも1番です。問題は、レベルの高い牡馬相手に55.5kgというハンデでどこまで戦えるかです。
前走の目黒記念では3着とプラダリア(5着)に先着していますが、プラダリアの宝塚記念での力走を見ると、今回のレースで順位が引っくり返る可能性は十分に考えられます。
サリエラが持つ潜在能力が高いのは間違いないと思いますので、今回はこの馬の成長力が試されるレースになりそうです。
以上の有力馬3頭は、左回りの東京競馬場の長い直線で切れる末脚を使って好走した馬たちばかりですので、新潟記念でも好走が期待されます。
筆者の注目馬
有力3頭以外にも、長く切れる末脚が使える馬がいます。
筆者が注目したのは、前走1年ぶりとなった函館記念で4着に追い込んだマイネルウィルトスです。
前走は大外からいい脚で追い込んできましたが、直線が短くわずかに届きませんでした。今回は長い直線を生かして大外枠から追い込んできますので、上手くハマれば上位3頭にとっても怖い存在です。
新潟芝2,000mでの勝利経験もありますので、舞台適性も申し分ありません。
7歳という年齢でどこまで力を伸ばしてこれるか、そして上位3頭との末脚勝負でどこまでやれるかは未知数です。デムーロ騎手が馬の能力を上手く引き出せば重賞初勝利も見えてくるでしょう。
「穴」どれない馬
今回の「穴」どれない(侮れない)馬は、新潟競馬場で長く切れる脚が使える馬、そう2020年の新潟記念を制している12番人気のブラヴァスです。
新潟記念を勝ったのはブラヴァスが4歳のとき。しかし、5歳以降は全くといっていいほど良いレースができていません。7歳となった今年は初ダート挑戦で惨敗、前走の新潟大賞典でも不良馬場のせいもあってか14着と惨敗しています。
この馬は、パンパンの良馬場で切れ味鋭い末脚を発揮するタイプの馬だと思います。その証拠に、2020年の新潟記念では前半1,000mが61秒9というスローペースの中で、上がり3ハロン32秒6という強烈な末脚で勝利を収めています。
良馬場で開催されるであろう今回の新潟記念では、前走、前々走のレースぶりは参考外と見てよく、勝つまでは難しいかもしれせんが、3着までに入る実力と条件はそろっていると思います。
2023札幌2歳ステークス レース展望
開催日 R5.9.2(土) 15:25発走
コース 札幌競馬場 芝1,800m 右回り
条件 2歳オープン 馬齢 GⅢ
今年の札幌2歳ステークスの出走馬はこちらです。
![](https://toproadoor.net/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-02-9.48のイメージ-1024x296.jpg)
9月2日(土)朝の時点で、一番人気はドゥラメンテ産駒の逸材ガイアメンテ、二番人気は6月の阪神新馬戦で圧勝したギャンブルルーム、三番人気は同じ舞台の未勝利戦を好時計で勝ったセットアップとなっています。
そして、出走馬たちが勝ち上がった新馬戦または未勝利戦のレース評価と血統評価はこちらです。
![](https://toproadoor.net/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-02-10.45のイメージ-1024x289.jpg)
総合評価としては、ガイアメンテが最上位となっています。しかし、レース評価が4点の馬(5点満点)が多く、血統面を除いて考えるとかなりハイレベルの馬が集まったと言えます。
その中でも、やはり1番手に評価したいのはガイアメンテです。
なんといっても、あの武豊騎手が惚れ込むほどの馬ですから能力は間違いありません。
こちらが武豊騎手のコメントです。
性格はすごく前向きというか、走るのはすごく好きなんだなと思うし、競走馬としての素質を兼ね備えている馬かなと思う。これから良い方向に成長していってくれたら、かなり楽しみな馬ではないかなと思う。
武豊騎手(YouTube JRA公式チャンネルより)
札幌2歳ステークスと同じ舞台(札幌芝1,800m)の新馬戦を圧勝したことも評価したいポイントです。同じ舞台を勝ったセットアップよりも時計は遅いのですが、ガイアメンテの場合は重馬場でしたし、全くムチを使わずの勝利でしたので、今回のレースでこの馬の真の力が見られるのではないかと楽しみにしています。
ガイアメンテの新馬戦については、以下のレビュー記事も参考にご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新潟記念はその独特なコースレイアウトから「長くて切れる脚が使える馬」を中心に紹介しました。ですが、現在の馬場状態や出走馬の脚質から前残りの展開も十分に考えられますので、今回紹介した馬以外にも虎視眈々とチャンスを狙う馬がいるかもしれません。
ということで、最後に私の新潟記念の予想をお伝えしてこの記事を締めたいと思います。
本命◎ 3番ノッキングポイント
対抗◯ 13番プラダリア
単穴▲ 1番サリエラ
連下△ 14番マイネルウィルトス
穴☆ 6番ブラヴァス